<プロボクシング:フェニックスバトル146大会>◇27日◇東京・後楽園ホール元キックボクシング王者で東洋太平洋スーパーウ…
<プロボクシング:フェニックスバトル146大会>◇27日◇東京・後楽園ホール
元キックボクシング王者で東洋太平洋スーパーウエルター級14位の緑川創(37=EBISU K.s BOX)が初タイトル挑戦で王座獲得に成功した。同級王者ワチュク・ナァツ(28=八王子中屋)に挑戦し、2-1(95-94、94-95、95-94)の判定勝利。24年10月からボクシングデビューし、約1年1カ月後の転向5戦目でアジア王座を手にした。
王座獲得に成功すると2歳5カ月の長男路唯(ろい)くんを呼び、抱き上げた。試合前に王座獲得し息子をリングに上げることを大きな目標に掲げていた緑川は有言実行。「破天荒な父親かもしれないが。自分の目標のために頑張るところを子供に伝えられたかなと思う」と喜んだ。キックボクシングで89戦を経験し、元WKBA世界スーパーウエルター級王座を獲得。14年2月には元K-1ワールドMAX王者で魔裟斗のライバルだったアンディ・サワー(オランダ)にも勝利するなど、プロキャリアの経験は豊富。
ナァツに執拗(しつよう)なボディー攻撃を仕掛け、チャンスに強烈な右フックを打ち込んだ。最終10回にホールディングで減点1はあったものの、冷静な試合運びでベルトをもぎ取った緑川は「ナァツ選手は強いので気持ちでブレたらいけないと最後まで自分のスタイルを貫き通しました」と笑顔。所属ジムでは男子初の王者となり、加山利治会長(53)は「元キックボクサーなのにボディー打ちがうまい。地味に理詰めのボクシングができる。中年の星ですね」とほめると。緑川は「アラフォーです」と苦笑いを浮かべた。
キックとボクシングでタイトル奪取に成功したことで、緑川は「古巣のジムに行って2本のベルトを巻いて写真を撮りたい」と希望した。キック時代を含めて94戦目。階級的には世界挑戦のチャンスが巡ってこない階級だけに「次の目標? 分からないですね。人生1度きりなので、強い選手とやって上に行ければ。40歳でもやっているかも。『もういいや』と思ったら辞めます」と感慨深げだった。