陸上競歩女子で五輪3大会代表の岡田久美子(富士通)が27日、現役引退を発表した。 競技生活約20年で区切りを決めた34…
陸上競歩女子で五輪3大会代表の岡田久美子(富士通)が27日、現役引退を発表した。
競技生活約20年で区切りを決めた34歳の第一人者は、所属先を通じて「決して順風満帆な競技生活ではなく、体調不良や怪我(けが)なども多い競技人生ではありましたが、多くの方々の声援と支えが力となり、何度も何度も苦しい時期を乗り越えることができました。キャリアとしての最後のレースとなりました東京2025世界選手権では、絶え間ない声援の中歩ききることができたこと、また、念願であった日本女子競歩初のメダル獲得の瞬間をアスリートとして見届けることができ、幸せな競技人生だったと感じています」と思いを示した。
◆岡田 久美子(おかだ・くみこ)1991年10月17日、埼玉・上尾市生まれ。34歳。上尾東中で陸上を始め、中学時代は1500メートル。熊谷女子高1年時に競歩に転向し、08年世界ジュニア1万メートルで8位。立大、ビックカメラを経て、22年に富士通に加入。19年ドーハ世界陸上20キロで6位入賞。今年9月の東京世界陸上も同種目で出場。五輪は16年リオ、21年東京、24年パリ大会代表。身長158センチ。
◆岡田のコメント全文。
「この度、今年度をもちまして競技者としてのキャリアに区切りをつけることとなりましたことをご報告させていただきます。
高校1年生で競歩に出会い、約20年もの間、誰よりも『速く、強く、美しく歩く選手』を目指し、自分自身と向き合い続けてきました。
初めてシニアの日本代表に選出された頃は、世界との差を痛感し、どうすれば海外選手との差を埋めることができるのかと深く悩んだ時期もありました。
『私が引っ張っていき、日本の女子競歩を強くしたい』という気持ちを持ちながら試行錯誤の練習が続いたころ、同じ志を持った選手たちの存在や、多くの方々のご支援によって少しずつ力をつけることができ、2019年にはスペイン・ラコルーニャでおこなわれた競技会において、20キロ競歩で当時の日本記録を更新し、あらためて世界と戦う気持ちが強くなりました。
その結果、ドーハ2019世界選手権の20キロ競歩では6位、パリ2024オリンピックでは男女混合競歩リレーで8位入賞することができたと強く感じております。
競歩を通じて、国内外問わず、競い合い、高めあうライバルであり仲間達と出会うことができ、私自身の中で、競歩がかけがえのないものとなりました。
決して順風満帆な競技生活ではなく、体調不良や怪我なども多い競技人生ではありましたが、多くの方々の声援と支えが力となり、何度も何度も苦しい時期を乗り越えることができました。
キャリアとしての最後のレースとなりました東京2025世界選手権では、絶え間ない声援の中歩ききることができたこと、また、念願であった日本女子競歩初のメダル獲得の瞬間をアスリートとして見届けることができ、幸せな競技人生だったと感じています。
前所属を退社し、富士通での活動は2022年の30歳からと、キャリアの最終段階を迎えようとしていた私を温かく迎えてくださり、伝統あるチームで競技ができたことに大変感謝しています。
今後についてはこれから考えたいと思っていますが、女子競歩をはじめ、多くのアスリートのさらなる活躍のために、陸上教室や普及活動を通じて、陸上競技や競歩の魅力を広めていけるようなことができたらと考えています。
改めまして、これまで応援してくださったすべての方々へ感謝申し上げます。長きにわたり、ご支援・ご声援いただきありがとうございました」