24日のプロボクシングWBC世界バンタム級王座決定戦で王座獲得を逃した那須川天心（27＝帝拳）が25日、TBSラジオ局で…
24日のプロボクシングWBC世界バンタム級王座決定戦で王座獲得を逃した那須川天心（27＝帝拳）が25日、TBSラジオ局でメインパーソナリティーを務めるレギュラー番組「SCALP D presents 那須川天心のかんきもラジオ」に出演した。井上拓真（29＝大橋）との王座決定戦で0－3の判定負けを喫してから一夜明け、通常通りの生放送番組にMCとして登場。格闘技、ボクシングを通じて55戦目にしてキャリア初黒星を味わった心境を語った。
TBS近藤夏子アナウンサーから読み上げられるファンからの激励メッセージを耳にした那須川は声を詰まらせ、涙声になった瞬間もあった。那須川は「昨日はたくさんの応援ありがとうございました。負けました。本当に悔しいです。めちゃくちゃ悔しいです。1日経ってみて、試合翌日に会見がないのが初めてで。新鮮な気持ちだったりとか、普段思わないことをたくさん思ったりしました。負けるのはプロで初めてで。よくよく考えたら中学2、3年生ぶりに負けましたね。ひさびさだなというのがある。すごくメッチャ悔しいです、うん」と、悔しいという言葉を連発した。
ボクシング転向から約3年、8戦目で臨んだ世界挑戦だった。それでも濃密なトレーニングを重ねながら世界ランク1位まで上昇し、世界挑戦にたどり着いた。那須川は「敗因としては自分の知らないボクシングの幅、経験値で負けました。やっぱ最初のラウンドとか前半は自分の中のペースでできたけど、そこで変えられて対応できなかった。キックの時はすごくもう自分の3～5回の中で確信的なものあったんですけど、ボクシングはラウンドも長いし、自分の中で自分を信じているけれど、本当に信じ切れているかというと迷いがありました」と自己解説。
迷いや不安、自分への信頼度が戦いに影響するとし「格闘技はそういうところで判断が遅れる。そういう迷いだったり、不安だったりは出してはいけないんだけど。何か経験という言葉は逃げみたいになっちゃうけど、経験値が浅いと。やっぱボクシングはアップセットが起こりづらい。最初は覆せることはあると思うが、ラウンドを重ねれば重ねるほど本当に読まれてしまうし、いろんな手札を増やさないといけないと思います」とも口にした。
あらためてボクシングという競技の奥深さを語り「職人の方々が集まった舞台だと思うんすよ、ボクシングって。12ラウンドありますし。トレーナーや選手、ジムの会長だったり、団体だったりも職人が多いと思う。本当に時間をかけてやっているのに、僕はまだ3年未満でやっていますけど。やっぱり付け焼き刃ではないですけど、どんなに練習に集中してやっていますけど、なかなか通用しないもの。アップセットは起こらないんだなと見せられた気がする」と振り返っていた。
