陸上男子1万メートルで歴代日本人学生6位の記録を持つ国学院大・野中恒亨(3年=浜松工)が25日、都内イベントで「シューズ…
陸上男子1万メートルで歴代日本人学生6位の記録を持つ国学院大・野中恒亨(3年=浜松工)が25日、都内イベントで「シューズ選びのコツ」を明かした。
青色を基調としたアディダス社の駅伝特化の新シューズを履いて登場した野中。朝練や集団走、強度の高いポイント練習の場面ごとに2種類のシューズを履き分けるという。
「僕のワールド全開なんですけど、僕、結構、靴と会話するんですよ」。ニヤリと笑った。靴に足を入れる時、「今日はどんな感じの接地をしてほしい?」と問いかけるのだ。
「今日の体の状態を靴に伝えて、今、一番体に練習負荷が高くなるような、いい質を求めてくれる靴を選んでいる」。「接地のスイートスポット(最適な箇所)がいくつかあるので、どこかを試しながら『そこは違う』みたいな感じで聞こえる」
独特な説明だが、反発力や重心の位置などをその日の体に合わせて、靴との相性を調和していくという。
22日の八王子ロングディスタンス(1万メートルで)では27分36秒64をマーク。国学院大の歴代記録も塗り替えた。同じ組だったOB平林清澄(ロジスティード)からも手荒い祝福を受けてから3日がたち、「今は90点ぐらい」と手応えを口にする。
10月の出雲駅伝3区では日本人トップの区間2位で国学院大の逆転優勝に貢献。さらに今月2日の全日本大学駅伝3区では留学生ランナーを押さえて区間賞をつかんだ。前田康弘監督(47)からは「次期キャプテン」とも見込まれている。
尊敬するOB平林や主将の上原琉翔(4年=北山)の背中を追いながら、才能の花を咲かせてきた。今季のチームの強さを「芯」と表現した3年生。「僕たちの走りは体幹に芯が入っているのが強み」と語る。
その強さを引き出すためには、シューズ選びも欠かせない材料だ。方言までは聞き取れないと笑った野中だが、箱根駅伝本番でも「(靴と)会話しながら、5キロ、10キロ、15キロで体の状態も変わる。それに合わせて会話して走っていきたい」とも言う。赤紫のタスキを先頭で運ぶための準備は着々と進んでいる。【泉光太郎】