10月に出雲駅伝2連覇を達成した国学院大の前田康弘監督(47)、上原琉翔主将(4年=北山)、野中恒亨(3年=浜松工)の3…
10月に出雲駅伝2連覇を達成した国学院大の前田康弘監督(47)、上原琉翔主将(4年=北山)、野中恒亨(3年=浜松工)の3人が25日、来年正月の箱根駅伝へ、さらに結束を強めた。東京都内で開かれたアディダスジャパンの新製品イベント「ADIDAS EKIDEN DAY」に出席。悲願の「総合優勝」へ声をそろえた。
晴れの日の青々とした富士山をイメージした鮮やかブルー「ソーラーブルー」を基調とした新シューズ。同社をユニホームサプライヤーとする国学院大の上原は「2年前は赤で、去年は銀色。箱根は晴れることが多いので、自分の走りでもっと映えさせられたら」と笑顔で語った。
22日の八王子ロングディスタンス(1万メートル)で歴代日本人学生6位の好タイムをたたき出した野中も「『こういう色で来たか』とびっくりした。軽く感じる色。暗い道路では青は映えるんじゃないかな」とイメージを膨らませた。
10月の出雲では4区辻原輝(3年=藤沢翔陵)の区間新記録の快走からの逆転劇でV2を達成。しかし、今月2日の全日本大学駅伝は野中が区間賞の好走を見せるも、後半で失速し、総合4位に沈んだ。
悲願の大学3冠(出雲、全日本、箱根)のチャンスを落としたが、チームはすでに来年正月の戦いへ、切り替えている。「出雲の勝ちと全日本の悔しい負けを融合していきたい」と指揮官は言う。
全日本後は主力組は個々の課題に注力し、それぞれ別々のメニューやレースをこなしてきた。
15日の日体大長距離競技会では全日本2区区間9位だった辻原が、1万メートル組内トップとなり復調。さらに16日の上尾シティハーフでは最上級生の青木瑠郁(4年=健大高崎)がトップとなれば、6位のルーキー野田顕臣も1時間1分29秒のU20日本記録を樹立した。
個々の強さも際立ってきた。ただ、今年の強さの秘訣(ひけつ)を表現した漢字1文字には「想」と記したキャプテンは「自分たちは前回(箱根)3位と悔しい思いをした。野中を含め主力の瑠郁や辻原も先輩の思いを継承しているので、『想い』の強さが出ている」と強調する。
野中も「(負けてしまうと)上原さんを泣かせてしまうので、優勝したら笑顔で。泣かせないように」と誓う。
絶対的エース不在と言われてきた国学院大だが、チームを思い合う力強い役者がそろってきた。【泉光太郎】