◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦12回戦 〇同級2位・井上拓真(判定)同級1位・那…

◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王座決定戦12回戦 〇同級2位・井上拓真(判定)同級1位・那須川天心●(24日、トヨタアリーナ東京)

 WBC世界バンタム級王座決定戦は同級2位・井上拓真(29)=大橋=が、同級1位・那須川天心(27)=帝拳=を判定で破り、1年1か月ぶりに世界の頂点に立った。

 * * * *

 王座返り咲きを果たしWBC新王者となった拓真が、WBA王者・堤聖也(29)=角海老宝石=とともに、群雄割拠のバンタム級ウォーズの主役に躍り出た。今後は、統一戦への動きが活発化しそうだ。

 12月17日に東京・両国国技館で世界5階級制覇のWBA世界同級暫定王者ノニト・ドネア(43)=フィリピン=との対戦を控える堤は「彼(拓真)がWBC持っちゃったら、もうやるしかねえ、みたいな感じですよね」と高校時代からのライバルで昨年10月のWBA王座戦で判定勝ちした拓真との統一戦に意欲を示した。WBO王者クリスチャン・メディナ(25)=メキシコ=は天心のスパーリングパートナーで、堤も8月のメキシコ合宿でスパーリングを行っている。IBF王座は、12月13日にメキシコで同級3位ホセ・サラス・レイジェス(23)=メキシコ=と同級4位ランディ・ギーケ(30)=南アフリカ=が王座決定戦を戦う予定だ。

 元世界王者の日本人選手たちも虎視眈々(たんたん)と復権の機をうかがう。先月29日、元4階級制覇王者の井岡一翔(36)=志成=がバンタム級に転級して日本人男子初の5階級制覇を目指すことを正式に表明した。12月31日の所属ジム主催興行で、同級転向初戦(対戦相手未定)に臨む。堤は「レジェンド(井岡)がバンタム級に上げてきた。統一戦ができないなら、そこの挑戦も受けたい」と発言。井岡も「嬉しいですよね。ぜひやりたいです」と呼応している。

 WBA4位など4団体すべてで上位にランクされる強打者・増田陸(28)=帝拳=も世界挑戦へ準備万端。海の向こうでは、16歳で単身渡米し米国でキャリアを積む秋次克真(28)が14戦全勝(4KO)と無敗の快進撃を続ける。天心と将来の対戦を誓い合った前WBO王者・武居由樹(29)=大橋=は9月にメディナに王座を奪われ無冠となったが、再起へ向け練習を再開。元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(30)=志成=の去就にも注目だ。7月にWBAバンタム級王座に挑戦するも引き分けに終わり引退を明言したが、先月に一転して「進退保留ということで」と現役続行の可能性に言及している。(勝田 成紀)