【明治安田J3リーグ 第37節 栃木シティ vs AC長野パルセイロ 2025年11月23日(日)14:03キックオフ …
【明治安田J3リーグ 第37節 栃木シティ vs AC長野パルセイロ 2025年11月23日(日)14:03キックオフ CITY FOOTBALL STATION】撮影/原壮史(Sony α-1使用)
■スコアレスの前半から雰囲気が一変した後半
2023年に関東1部リーグからJFL昇格、2024年にJFLからJ3昇格を決めてきた栃木シティ。J参入初年度となった今季も力強い戦いを続け、3年連続での「昇格」を目前としていた。
前節時点で昇格に王手をかけていながら岐阜戦で完敗を喫した栃木シティにとって、長野戦は再挑戦。今季最後のホーム、シティフットボールステーションの試合で自力での昇格を達成すべく、田中パウロ淳一、バスケス・バイロン、ピーター・ウタカという強力3トップをスタメンに並べた。しかし、バスケスが足を痛めて前半13分でピッチを去る。いきなりのアクシデントもあり、前節の岐阜戦同様に前への勢いを思うように出せず、0-0のまま前半を終えた。
均衡を破ったのは後半11分だった。コーナーキックからマテイ・ヨニッチが頭で合わせて先制。このゴールでスタジアムの雰囲気を一変させた栃木シティは、直後の後半13分に鈴木裕斗の得点で2-0とする。サポーターの声援に後押しされるようにアディショナルタイムに吉田篤志がダメ押しの3点目。ホイッスルとともにスタジアムは歓喜に包まれた。
■地域の老若男女が一堂に会するスタジアム
就任から4シーズンでJ2まで駆け上がった今矢直城監督は「3点目こそ私たち」と最後のゴールについてコメント。ユースからトップチームまで同じ戦い方をして栃木シティというクラブの形を作り上げる4年間でもあり、J2昇格を決める試合でも最後までゴールを目指し続けるアタッキングフットボールを見せられたことを喜んだ。
そして、「どうやって注目してもらうか」に苦戦するクラブも少なくないなか、SNSを駆使してクラブの存在を広めてきた田中パウロ淳一も喜びを爆発させた。この日の観衆はスタジアム新記録となる4581人。クラブとしても、個人としても、やってきたことが間違っていなかったとスタジアムのあらゆる景色が示していた。
シティフットボールステーションの雰囲気は独特だった。子どもたちの声から始まるチャントがある一方、相手にも自分たちにもブーイングを飛ばすことはない。地域の老若男女が一堂に会して平和に楽しむことができる休日のエンターテインメントの場だった。このスタジアムを本拠地に持つ栃木シティというクラブは、J2の舞台でさらなる注目を集めることになるだろう。
■試合結果
栃木シティ 3-0 長野パルセイロ
■得点者
56分 マテイ・ヨニッチ(栃木シティ)
58分 鈴木裕斗(栃木シティ)
90+3分 吉田篤志(栃木シティ)