<プロボクシング:IBF世界フェザー級挑戦者決定12回戦>◇24日◇トヨタアリーナ東京東洋太平洋フェザー級王者でIBF世…
<プロボクシング:IBF世界フェザー級挑戦者決定12回戦>◇24日◇トヨタアリーナ東京
東洋太平洋フェザー級王者でIBF世界同級5位の“鉄の拳”中野幹士(30=帝拳)が、同級3位ライース・アリーム(35=米国)との同級挑戦者決定戦に臨み、判定0-3(112-115、111-116、109-118)でプロ初黒星を喫した。
中野は通算15戦14勝(13KO)1敗。アリームは24戦23勝(12KO)1敗とし、王者アンジェロ・レオ(31=米国)への指名挑戦権を得た。
立ち上がりから前へ出て圧力をかける中野に対し、アリームはサークリングしながら、飛び込んでのノーモーションのパンチや、右ストレート→左フックのコンビネーションを当てていった。
6回以降に特に打ち合いが激しくなり、中野は10回、アリームの飛び込んでの右のショートパンチを被弾。ダウンを奪われた。中野にとってはプロ2度目のダウンだった。中野は最終12回に強烈な左ストレートをヒットさせてアリームにダメージを与えたが、そのまま試合は終了。中野はアリームの変則的なボクシングを捕まえることができず、判定で涙をのんだ。
試合後の会見でアリームについて「思った以上に動くなという印象がありました」と振り返った中野は「悔しいっすね。コンディション? いつもどおりバッチリでした。(ダウンは)もらってそのまま倒れたんですけど、見栄えがすごい悪かったんで、ああ、やっちゃったという感じです」と悔しさをにじませた。 今度については「今は特にないですね。ちょっと休んで考えます。また頑張る気になったら頑張ります」と言葉少なだった。
中野は今年5月、米ラスベガスで元世界ランカーのペドロ・マルケス(プエルトリコ)から計5度のダウンを奪って4回TKO勝利という鮮烈な「ボクシングの聖地」デビュー。愛称「鉄の拳」も米メディアに伝わった。
今年7~8月にかけ、4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥のスパーリング相手を務め、「世界を肌で感じることで自分の足りないものも分かった。それを考えながらやれている。自分にとって良い経験になった」と自信を深め、この試合に向けては「中野なら世界が取れると思われる試合にしたい」と意気込んでいたが、壁にはばまれた。
◆中野幹士(なかの・みきと) 1995年(平7)7月14日、大阪市生まれ。小学5年からに父の仕事のため上京し、競技を開始。竹台高時代に帝拳ジムに通いながら高校3冠を達成。名門・東京農大に進み、アマ7冠。アマ戦績は68勝9敗。18年10月に2回KO勝ちでプロデビュー。24年9月に東洋太平洋フェザー級王座を獲得。25年5月に米ラスベガス初陣で計5度のダウンを奪って4回KO勝ち。愛称は鉄の拳。家族は両親と兄、弟、妹の6人。身長170センチの左ボクサーファイター。