大相撲で大関昇進を確実としている関脇安青錦(21=安治川)に、新たな試練が訪れた。ウクライナ出身として初優勝を飾った九州…

大相撲で大関昇進を確実としている関脇安青錦(21=安治川)に、新たな試練が訪れた。ウクライナ出身として初優勝を飾った九州場所千秋楽から一夜明けた24日、福岡・久留米市の部屋で一夜明け会見。祝宴はこの日午前4時まで続いたといい「優勝したいという気持ちはあったけど、優勝できるとは、あまり思っていなかったので、すごくうれしかった」と、喜びをかみしめた。26日の番付編成会議と臨時理事会を経て、正式に「大関安青錦」が誕生する。その後の昇進伝達式は「いろんな映像を見ている」と勉強中。注目の口上は「昨日、親方に『自分で考えろ』と言われてしまって…」と笑顔で話し、大きな課題にうれしい悲鳴を上げていた。

日本語は流ちょうだが、特に漢字の読み書きは、来日3年半では限界がある。しかも伝達式では最近では横綱大の里の「唯一無二」など、四字熟語を入れることが多いが「本当に全く考えていないので」と、白紙の状態だという。「とりあえず親方と話し合って、本当に昨日の通り『自分で考えろ』と言われたら、調べるしかないですね。手伝ってほしいな(笑い)」。場合によっては今後、四字熟語の猛勉強もあり得そうな展開だが…。これまでも教えを受けて成長、全幅の信頼を寄せる師匠の安治川親方(元関脇安美錦)が、救いの手を差し伸べてくれることを期待していた。

大関に昇進すれば、目指す番付は横綱となる。「まだ伸びしろはあると思っているので。勝手に。全てを強くしようと思って、毎場所、意識してやってます」。心も技術も体づくりも。まさに心技体、全てでレベルアップを図ってきた姿勢は変わらない。

それもこれも「とりあえずラーメンを食べてから」と話し、笑い飛ばした。場所中は体調管理を優先して控えていた、九州場所では好んで食べているラーメンを、場所前以来、口にできることをうれしそうに想像していた。日本が、大相撲が大好きな安青錦。師匠と二人三脚で、もしくは1人で考える口上に、注目が集まる。【高田文太】