◆大相撲 ▽九州場所千秋楽(23日、福岡国際センター) 新関脇・安青錦が初優勝を果たした。本割で大関・琴桜を内無双で破る…

◆大相撲 ▽九州場所千秋楽(23日、福岡国際センター)

 新関脇・安青錦が初優勝を果たした。本割で大関・琴桜を内無双で破ると、横綱・大の里の休場による不戦勝で12勝3敗で並んだ横綱・豊昇龍との優勝決定戦を送り投げで制した。

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 21歳の安青錦はすでに看板力士として十分な自覚とふるまいを見せている。新十両、新入幕の節目には、バッグや時計を自らへのご褒美として購入。当初は「それを見て何年後かに『幕内になった時に買った、十両に上がった時に買った』と思い出せる」と関取ならではの楽しみ方をしていた。

 ただ、その物欲も番付を上げていくごとに、なくなっていったという。「カバンを買ってもあまり使えなかった。買った後に後悔することがあった。最近は若い衆にあげて喜んでもらう方が楽しい」。活躍をするにつれて自身へのご褒美は、次第に安治川部屋の若い衆へのご褒美へと変わった。

 今場所中は部屋全員にケーキを差し入れし、士気を高めた。幕下・安大翔は「本当にうれしかった。自分が関取になって、同じようなことができるようになりたい」と憧れを語る。関取としての新たな楽しみ方を見つけたようだ。(大西 健太)