「大相撲九州場所・千秋楽」(23日、福岡国際センター) 新関脇安青錦が12勝3敗で初優勝を飾った。年6場所制となった1…

 「大相撲九州場所・千秋楽」(23日、福岡国際センター)

 新関脇安青錦が12勝3敗で初優勝を飾った。年6場所制となった1958年以降で4番目の年少記録となる21歳8カ月で初Vを果たし、大関昇進が確実となった。

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 3代目若乃花、若隆景、日馬富士、琴錦、旭国、岩風、そして師匠の安美錦。昭和から令和まで。安青錦が憧れに挙げる力士は幅広い。師匠の安治川親方(元関脇安美錦)が集めたDVDを鑑賞するのが日課で、師匠が「もう全部見ちゃった」と苦笑するほどだ。

 関大相撲部の主将だった山中新大さん(現関大職員)は、安青錦を神戸市の自宅に受け入れた頃を「お風呂やトイレの中から『はっけよい、のこった、のこった』と聞こえてきた」と述懐する。「食事の時にスマホで相撲の映像を見ていましたが、トイレやお風呂でも。相撲部で相撲の話をすると、日本語が分からなくても、輪に入ってきた。とにかく相撲が好き」と人柄を振り返った。

 今年春の場所休み、神戸で一緒に過ごした。「銭湯に行くと、体がどんどん大きくなっている。部屋頭だからか、雰囲気がすごく堂々と大人っぽくなっていた」と思い返した。「イントネーションが関西弁から標準語に近づいてきた」と少し寂しさも感じつつ、それも安青錦の成長だと頼もしく思っている。

 「ウクライナのため」「戦禍を乗り越えて」という枕ことばがつく安青錦。山中さんは「相撲が純粋に好き。だから頑張れると思う。皆に応援されるお相撲さんになってほしい」と願った。(デイリースポーツ・山本鋼平)