「阪神ファン感謝デー」(23日、甲子園球場) 阪神の才木浩人投手(27)が23日、日本将棋連盟から初段の免状を贈呈され…

 「阪神ファン感謝デー」(23日、甲子園球場)

 阪神の才木浩人投手(27)が23日、日本将棋連盟から初段の免状を贈呈された。今季は念願の自身初タイトルとなる最優秀防御率を獲得した右腕。ただ、現状に満足はしておらず、目指すは先発投手全冠。野球界の“名人”になるべく、来季はタイトル総なめを狙う。

 常に高みを目指す才木は、個人タイトルへの強い思いを口にした。「(タイトルは)もちろん毎年狙っていきたい。(投手の中で)一番ってところは目指してるので、もっと実力で、いい成績を残せたらいいかなと思います」

 今季はシーズンを通して先発ローテを守り、2完封を含む12勝6敗で防御率1・55。最優秀防御率に輝き、リーグ優勝に大きく貢献した。ただ「防御率は取りましたけど、どっちかというと運がよかった」と自身の投球に納得はしていなかった。

 事実、最終盤まで可能性のあった最多勝、最高勝率にはあと一歩届かず。逆に同学年でダブルエースとしてチームを支えた村上に、最多勝、最高勝率、最多奪三振の3冠を持っていかれた。

 今季は得点圏被打率が12球団の規定投球回に達した投手の中で、最も低い・140とピンチに強い粘りの投球が光った。ただ、それを目指しているわけではない。「ランナーを出して、なんとか抑えてってピッチングが多かった」。結果以上に苦しい内容が多かったことも自覚している。

 目指すは誰にも文句を言わせない数字だ。「最初から最後まで、圧倒的なピッチングをするのが自分の理想。そこを追い求めてやっていけたら」。相手を寄せ付けず、圧倒するのが目標だ。

 この日は、昨年12月のイベントで谷川浩司十七世名人から贈呈が約束されていた初段の免状を受け取った。少年時代にハマり、今でもスマホのアプリで楽しむ将棋好き。羽生善治九段、藤井聡太竜王の名も刻まれた免状を手に「めっちゃかっこいいです。すごくありがたいです」と少年のような笑みを見せた。

 ファン感謝デーでも持ち前の明るいキャラクターでファンを沸かせた才木。来季は虎の“投球名人”としてタイトルを総なめにし、チームを連覇に導いていく。