【ヘルシンキ23日=松本航】フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦フィンランド大会を制した女子の千葉百…

【ヘルシンキ23日=松本航】フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ最終第6戦フィンランド大会を制した女子の千葉百音(20=木下グループ)が、26年ミラノ・コルティナ五輪代表3枠入りへ決意を新たにした。

逆転でGP2連勝を飾ったフリーから一夜明け、滞在するホテルで取材対応。6人が出場するファイナル(12月4~7日、愛知・IGアリーナ)で、日本勢4人のうち上位2人を目指す。

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前夜の興奮から冷静さを取り戻し、千葉が笑いを誘った。

「『ロミオをかなりぶん殴っているな』というようなガッツポーズを出してしまったんですけど、まだ早かったなと思います」

名作「ロミオとジュリエット」を演じたフリーはジャンプ7本を降りきり、トップの144・33点でアンバー・グレン(米国)を逆転。演技直後は右拳を振り下ろし、重圧に打ち勝った。前回2位のファイナル切符を「ホッとしている」と喜び、細かな反省点に意識を向けた。

初の五輪へも前に進んだ。代表は3枠で、1枠目には全日本選手権(12月19~21日、東京)優勝者が内定する。2~3枠目となる対象の項目の1つがファイナル日本勢上位2人。フィンランドでGP6大会を終え、すでに決まっていた坂本花織(シスメックス)、中井亜美(TOKIOインカラミ)に加え、千葉と渡辺倫果(三和建装/法政大)が駒を進めた。千葉は「上2人というのが、かなり厳しい条件」と本音をにじませつつ「3枠しかない。選考基準をしっかり踏まえた上で、自分にプレッシャーをかけすぎず、今の自分にできる1つ1つを結果につなげたい」と10日ほど後の舞台を見据えた。

女子唯一のGP2連勝となり、ショートプログラム(SP)は最終滑走で演技する。今大会のSPでも経験し「予行演習したと思う。日々、自分の感覚と向き合う時間を大事にしたい。それをおろそかにすると、本番で緊張と不安に影響を及ぼす」と自らに集中する。

3月の世界選手権で銅メダルをつかんだ20歳の強みは、GP2戦の合計点がわずか0・01点差だった質の高さと安定感。会心のガッツポーズをもう1度、自国開催の名古屋で披露する。

◆女子上位成績

〈1〉千葉百音(木下グループ)217・22点

〈2〉アンバー・グレン(米国)213・41点

〈3〉松生理乃(中京大)193・21点

〈7〉住吉りをん(オリエンタルバイオ/明治大)178・26点

◆GPファイナル進出者

〈1〉千葉百音(木下グループ)※第3戦スケートカナダ優勝、第6戦フィンランド大会優勝

〈2〉坂本花織(シスメックス)※第1戦フランス大会2位、第4戦NHK杯優勝

〈3〉アンバー・グレン(米国)※第2戦中国杯優勝、第6戦フィンランド大会2位

〈4〉アリサ・リュウ(米国)※第2戦中国杯2位、第5戦スケートアメリカ優勝

〈5〉中井亜美(TOKIOインカラミ)※第1戦フランス大会優勝、第3戦スケートカナダ3位

〈6〉渡辺倫果(三和建装/法政大)※第2戦中国杯3位、第5戦スケートアメリカ2位