<全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)>◇23日◇宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台(6区…

<全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)>◇23日◇宮城・松島町文化観光交流館前~弘進ゴムアスリートパーク仙台(6区間42・195キロ)

JP日本郵政グループは広中璃梨佳(24)が、大会最長3区(10・6キロ)で自身が持つ区間記録を8秒更新の区間2位でつないだが、チーム2位で連覇を逃した。

2020年の2連覇の時、広中はまだ2年目の若手だった。しかし、今大会は「だいぶ上の世代になってきて、やっぱり、(同期の菅田)雅香がキャプテンもしているのもあって、私も背中で見せたい」と新たな思いで挑んでいた。

2区終了時で首位エディオンとの差は56秒差。巻き返すならここしかなかったのだろう。「毎年、前半は余裕を持って走りたいと思っているんですけど、なんか突っ込んでいって…」。無意識のうちにハイペースで走り出していた。

1秒後ろには黄金ルーキーの三井住友海上の不破聖衣来と油断できない状況だ。1人を抜いた後は資生堂の五島莉乃と競り合ったが、「エディオンさんを見ていたので、そこは気にしてなかった」と広中。驚異的なペースでマラソン日本記録保持者の天満屋・前田穂南や世界選手権マラソン代表の積水化学・佐藤早也伽をかわし、10番手から3番手まで駆け上がった。

9月の世界陸上選手権1万メートルでは日本勢初の2大会連続入賞。その後は「なかなか走りと感覚がかみ合わない時期もあった」。それでも、今春から加入した名城大出身の1区谷本七星(23)や6区小暮真緒(23)の新人が大きく成長していく姿を見て、「私も負けていられないな」と力に変えてきた。

21年東京五輪マラソン代表の鈴木亜由子(34)が補欠に回るなど今回は主力がそろわなかった。だが、広中はトップから20秒差で4区カリバ・カロライン(21)につなぎ、一時首位に立つ見せ場を演出した。

2度目の連覇にはわずか7秒及ばなかった。しかし、広中の顔に涙はない。「自分的な走りの悔しさというよりかは、また来年にチームとして挑戦できる。うれしい2位」。そして、来年のアジア大会に向けては「『今まで取ったことない金メダルを取るんだ』という気持ちで、しっかり冬季(練習)も積んでいきたい」と再出発を誓った。