プロボクシングWBC世界バンタム級王座決定戦となる同級1位那須川天心(27=帝拳)-同級2位井上拓真(29=大橋)戦に向…
プロボクシングWBC世界バンタム級王座決定戦となる同級1位那須川天心(27=帝拳)-同級2位井上拓真(29=大橋)戦に向け、WBCが特製ベルトを製作したと23日、発表した。来日し、同カードのスーパーバイザーも務めるWBCマウリシオ・スライマン会長が持参し、同日に東京ドームホテルで行われた前日計量の際にお披露目した。日本人対決によるWBC世界戦で特別ベルトが製作されたのは初めて。勝者にはWBC通常ベルトとともに2本が手渡される。
全体的にはWBCベルトと同じ形だが、中央に「SAMURAI」と刻まれ、甲冑の武士がかたどられている。ベルトの右にはムハマド・アリ、井上、大橋ジムのロゴ、左には先代のスライマン会長、那須川、帝拳ジムのロゴがそれぞれ装飾されている。
同会長は「これだけ素晴らしい信じられないほどの規模の世界戦のため、日本に戻ってこられてうれしい」とあいさつ。特製ベルトを掲げ「明日のWBC世界バンタム級王座決定戦では勝者に唯一無二となる特別なサムライベルトを贈呈することになった」と報告した上で「このベルトを手にするのは那須川選手か、井上選手になるのか。しっかりと見届けてください。頑張りましょう」と強調した。スライマン会長は10月下旬に来日した際、那須川と井上のジムワークをそれぞれ視察し、激励していた。
さらに同会長は「今の日本ボクシング界は黄金期だ。この世界戦だけでなく、世界でも4団体統一スーパーバンタム級王者として君臨する井上尚弥選手をはじめ、素晴らしい日本人選手が頑張ってくれている。すべては(帝拳ジム)本田(明彦)会長と(大橋ジム)大橋(秀行)会長のご尽力だと思っている」と感謝の言葉を述べた。
日本人選手の世界戦で過去にWBC特製ベルトがかけられた例がある。24年5月、東京ドームで行われた井上尚弥-ルイス・ネリ(メキシコ)戦でWBCダイヤモンドベルトがかけられた。また今年5月、米ラスベガスで開催された井上尚弥-ラモン・カルデナス(米国)戦ではWBCの「Go Grey in May」特製ベルトが贈呈された。なお同ベルトは脳がん啓発月間を記念して特別なグレーベルトとして知られている。