<陸上:MARCH対抗戦>◇22日◇町田Gスタ◇男子1万メートル4組悲願の箱根駅伝出走に向かって、V字復活を描いた。青学…

<陸上:MARCH対抗戦>◇22日◇町田Gスタ◇男子1万メートル4組

悲願の箱根駅伝出走に向かって、V字復活を描いた。

青学大の折田壮太(2年=須磨学園)が27分43秒92の自己ベストで全体3位に入った。

個人トップだった主将の黒田朝日(4年=玉野光南)の背中を懸命に追い、6秒30遅れでフィニッシュした。「どれだけタイムを削っていけるかよりも、まずは朝日さんにどれだけチャレンジして、朝日さん以外の選手にどれだけ勝てるか」と独自のテーマを設定していた。

高校3年時は全国高校総体(インターハイ)5000メートルで日本人トップの5位入賞。鳴り物入りで名門に進んだが、その後は伸び悩んだ。チーム7位で惨敗した10月の出雲駅伝で2区を任されたが、区間10位と順位を落とした。その影響もあり、11月の全日本はメンバーから外れていた。

同世代にいる、駒大の桑田駿介や東洋大の松井海斗を友とする。大学進学後もインターハイで競り合うようなストーリーを描いてきた。

「同世代で切磋琢磨(せっさたくま)して、05世代(2005年生まれ)がもっともっと盛り上がればいいな」。しかし、現実は甘くはなかった。

出雲のレース後、落ち込んでいた時、同学年の中大・岡田開成から声をかけらたという。

「折田、待ってるよ」-。

その言葉に折田の中で何かはじけた。「箱根の舞台でまたインターハイのように競り合いたい」。ここから反撃が始まった。今月9日の宮古サーモンハーフで優勝。「まだ『行ける』って思うきっかけのレースだった」。そして、満を持してのMARCH対抗戦でも結果を残し、V字回復を遂げた。

元高校日本人トップの意地の走りには原晋監督(58)も「折田が戻ってきてくれたのはうれしい。これまでたまに頑張るところもあったが、力強い速さが失われていた。今日は本当にいい走りをしてくれた」と高評価する。

前回の箱根は3区の鶴川正也(現GMOインターネットグループ)の付き添いと10区の給水係だった。「この2本(宮古サーモンハーフとMARCH対抗戦)を走れた上でやっとスタートラインに戻って来られる」と折田。3連覇を掲げる青学大に強力なメンバーが戻ってきた。【泉光太郎】