<大相撲九州場所>◇13日目◇21日◇福岡国際センター西前頭2枚目の若元春(32=荒汐)が、同6枚目の阿武剋(25=阿武…

<大相撲九州場所>◇13日目◇21日◇福岡国際センター

西前頭2枚目の若元春(32=荒汐)が、同6枚目の阿武剋(25=阿武松)を寄り切った。ケンカ四つの相手に得意の形で取り切った。立ち合いから左でまわしをつかみ、相手が嫌がるところでさらに深く差す。右上手も取って、引きつけながら寄り切った。

左四つの理想的な勝ち方に「落ち着いてとりました」としたが、求道者にとってはこれでも課題が見つかる。「挙げるとすれば、組んでからの攻めがもたついた。狙ったことは全部できた。できた上でまだまだ足りてないところがある」。

理想型はどういうものなのか。「本当にきれいにつかまえて、本当にスムーズに出る時は、相手が浮くような感覚になる。何もさせないような寄りができる。今日は相手が土俵についている状態で寄った」。

果たして、若元春が考える完璧な相撲はどれだけ取れるのか。「完璧な相撲が取れる人は、もっと上にいきますよ。そういう中で、どれだけイメージを妥協せずにいけるかというところ。完璧を目指しているのではなく、そこを考えていかないと、できることが狭まってきちゃう。立ち合いからの左四つまでの流れは、思い描いているとおりかなと思います」。

今年の取組もあと2番。年は変わるが、本場所は2カ月に1度来る。「区切って考えてない。残りの相撲人生、相撲をやっていくうえで妥協しない。自分のベストの相撲を出せていけたらと思いますね」。

13日目を終え、7勝6敗。あと2番積み重ねれば、三役復帰も-。道を究めたい若元春は、星勘定とは別次元で土俵に上がっている。