阪神藤川球児監督(45)が20日、大山悠輔内野手(30)にゲキを飛ばした。大山は18日の契約更改の席で甲子園球場外野にテ…
阪神藤川球児監督(45)が20日、大山悠輔内野手(30)にゲキを飛ばした。
大山は18日の契約更改の席で甲子園球場外野にテラス席設置を要望。これを受けた指揮官は「打てるようになる努力をすることが選手としては格好いい」と甲子園を狭くするのではなく、パワーアップして本塁打を量産する姿を求めた。球団初のリーグ連覇へ、来季も5番として期待が大きいからこその球児流エールだった。
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藤川監督は終始リラックスモードだった。兵庫県内のゴルフ場でサンテレビの正月番組「レッツゴー! タイガースゴルフ2026」(1月1日午後10時放送)の収録に参加。大山が球団に要望した甲子園球場の外野テラス席設置の話題に、柔和な表情で“待った”をかけた。
藤川監督 打てるように努力をすることが選手としては格好いい。大山らしいですよ。それを待ちます。
大山は18日の契約更改の席で「個人としての要望でもある」とし、味方投手陣のデメリットも懸念しながらこう説明していた。「僕たち年上の選手がどんどん言っていくのも仕事のひとつ。後々後輩たちにつながってくる可能性もある」。球場が狭くなることで野手陣全体の成績が上がり、給料も上がるというもの。野手リーダーの立場で球団に要望したが、指揮官は甲子園の広さは伝統とした上で、こう呼びかけた。
藤川監督 (甲子園のフェンスを)飛び越えるだけのトレーニングを課題にして取り組めばいい。甲子園で打てれば、東京ドーム、新しいバンテリン(ドーム)、神宮であったり、どこの球場でも本塁打が打てる。その方が道は早い。変えられるものは自分。自分を変えていけば、佐藤(輝)のように40発打てる。現役の間しか、そのチャンスはありませんからね。
変えるのは球場ではなく大山自身。甲子園を狭くするのではなく、パワーアップして柵越えを量産してほしい、広い甲子園に打ち勝て、との考えを明かした。指揮官はこの日のコンペで昨年に引き続き連覇を達成。甲子園を全英オープンの開催コースになぞらえた。
藤川監督 難しいゴルフ場に行って、簡単にしてくれって言ってるようなもんでしょ。セントアンドリュースとか、日本でも名門は難しいですから。
今季の大山はチーム1位の得点圏打率3割1分6厘をマーク。だが本塁打は甲子園4本、他球場も含めて13本にとどまった。3番森下が23発、4番佐藤輝が40発放った中軸で、5番大山も量産すれば、ただでさえ強力な打線の破壊力が増す。20年の自己最多28本塁打超えも夢ではない。
藤川監督 みんなが40発、30発の打線になる。チャンス。大山も鍛えるチャンスですよ。
球団初のリーグ連覇へ、大山の打棒爆発は欠かせない。熱い思いを込めた球児流のエールだった。【伊東大介】
◆大山の球場別本塁打 甲子園では22年に14本打ったが、23年10本→24年5本→25年4本と年々減少傾向にある。4本は17、18年に並ぶ自己最少タイ。今季の61試合4本は佐藤輝の61試合11本、森下の62試合8本と比べても生産率が低い。