<大相撲九州場所>◇12日目◇20日◇福岡国際センター大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)が、5連勝で勝ち越しに王手をかけた。前頭…

<大相撲九州場所>◇12日目◇20日◇福岡国際センター

大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)が、5連勝で勝ち越しに王手をかけた。前頭義ノ富士の頭からの立ち合いを、胸で受け止め、押し込めないとみるや引いた。相手が前のめりに倒れる中、左足を俵に残してはたき込んだ。先場所で右膝を痛め、何とか今場所の出場にこぎ着けた。一時は黒星が3つ先行する悪い流れだったが、ついに勝ち越し目前に迫った。大の里、安青錦を立て続けに破って勢いに乗る義ノ富士に、馬力では勝ることはできなくても、経験を生かし、滞空時間も計算し尽くした白星を手にした。

取組後は「(引きは)流れの中で。(残った)感覚はあった」と振り返った。義ノ富士とは初顔合わせだったが「自分自身、やることは変わらない。気を抜かずにいった」と、強敵と受け止めて全力で臨んだ。

ここへきて、優勝争いのキーマンに浮上した。13日目は横綱豊昇龍戦が組まれた。番付から、14日目は横綱大の里、千秋楽は関脇安青錦との対戦が想定される。いずれも現時点で2敗で並ぶ優勝争いのトップ。琴桜は勝ち越すために、3人のいずれかから最低1勝はほしい状況で、トップの3人としては直接対決以外の琴桜戦は、何としても落としたくない状況となった。琴桜は「万全じゃないからといって、負けていいわけじゃないから。1番に集中してやるだけ」と、気合をみなぎらせていた。