<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター西前頭7枚目の阿炎(31=錣山)が、トンネルを抜けた。東前頭10枚目…
<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター
西前頭7枚目の阿炎(31=錣山)が、トンネルを抜けた。東前頭10枚目の大栄翔(32=追手風)を押し出し、連敗を5で止め3勝5敗とした。
立ち合いから、手を伸ばした。長いリーチを生かした押し、のど輪を繰り出し、ぐいぐいと大栄翔の体を起こした。迷いがなかった。
「今日は考えずに。考えすぎていたんで、思い切りいくことだけを意識しました。こうしたらこうくるから…、みたいなのをずっと考えすぎていました」
3日目から7日目まで5連敗。9月の秋場所は3勝12敗。17場所連続で前頭3枚目以上にいながら、今場所は西前頭7枚目まで落ちていた。
「現状、ずっと負けているんで、今までやってきたことを思い出して」。7日目の帰り道に考えたという。「落ち着いているのはいいけど、考えてから動くと攻めが遅い。投げにいくのも無理やりすぎてタイミングがずれる。どうしてこうなったんだろう、どうやって相撲を取っていたのかと考えて…。思い返したのは、無我夢中で相撲を取っていたことでした」。
気持ち一つで、相撲内容が変わった。阿炎も「びっくりしました」。ただ、考えることは悪いことではないと自認するため「ちょうどいいところを探さないと」。再浮上のためのヒントは得た。