<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター横綱大の里(25=二所ノ関)が、薄氷の白星で、幕内ではただ1人全勝を…

<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター

横綱大の里(25=二所ノ関)が、薄氷の白星で、幕内ではただ1人全勝を守り、ストレート勝ち越しを決めた。この日が41歳の誕生日だった東前頭4枚目玉鷲に、立ち合いすぐに右を差した。だが玉鷲の左ハズ押しで半身にさせられる苦しい体勢。土俵際まで押し込まれると、相手の右のど輪に弓なりになって上体をのけぞらせる大ピンチに陥った。それでも落ち着いて、のど輪を外した流れで引くと、相手は前のめりに倒れ込んだ。はたき込みで、1敗の関脇安青錦との1差を守った。

今場所初の辛勝で、押し込まれたのも初という、際どい勝負となった。ただ「相手が落ちたのを確認して落ちた(土俵外に出た)」と、勝ったことは確信していた。土俵際は精神面に余裕があった。これで幕内では3度目のストレート勝ち越し。過去2度は、いずれも優勝しており、優勝確率100%の状況に持ち込んだ。

関取衆最年長の41歳の相手の印象を問われると「場所中なので、自分のことで精いっぱい」と話すにとどまった。単独トップは変わらないが、1差で追うのが関脇安青錦1人に減り、通算6度目の優勝が、また1歩近づいた。「1日1番、しっかり集中していきたい」。今年4度目の優勝へと突き進むつもりだ。