フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第5戦スケートアメリカ◇14日(日本時間15日)◇第1日◇男子ショートプログ…

フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第5戦スケートアメリカ◇14日(日本時間15日)◇第1日◇男子ショートプログラム(SP)ほか

【レークプラシッド(米ニューヨーク州)=藤塚大輔】GPシリーズ初優勝を狙う友野一希(27=第一住建グループ)が、首位発進した。今季自己最高の95・77点。GPでは21年ロステレコム杯以来の首位スタートとし、2位に2・21点差をつけた。優勝すれば、来年2月のミラノ・コルティナ五輪代表3枠の選考に関わるGPファイナル(12月4~7日、名古屋)初進出が決まる一戦。初の五輪出場へ前進するべく、今日15日(日本時間16日)のフリーに臨む。

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友野は「失うものはない。ガンガン攻めていこう」と勢いよく滑りだした。冒頭から課題としていた4回転-3回転の連続トーループ、4回転サルコーをともに成功。ミスなく演技を通し、フィニッシュ後は右拳を突き上げた。「自信を持ってできた」。昨季の世界選手権銀メダルのシャイドロフ(カザフスタン)らを上回り、堂々の首位発進を決めた。

いつになく燃えていた。「あとは優勝するしかない。結構アチいなって」。これまで世界選手権3度出場と実績を残しながら、主要国際大会の頂点は縁遠かった。世界のトップ選手が集うGPシリーズに17年から15度出場も、最高成績は20年NHK杯の2位。「やり残したことがある」と引っかかっていた。だからこそ今大会は「初優勝を狙う」と宣言。まずはSPで好発進し「ここまでやって来て良かった」とうなずいた。

優勝すれば、初の五輪出場にも追い風になる。現時点で代表3枠を巡る争いは、鍵山と佐藤がリード。選考は12月の全日本選手権まで続くが、GPシリーズ上位6人によるファイナルに進めば、代表入りに1歩近づくことになる。

表現力に定評があることから「浪速のエンターテイナー」と称される27歳。4歳から始めた競技生活の集大成と位置付ける今季は「『競技者としての友野一希』を刻んでいくのが一番の目標」と胸に誓っている。大一番のフリーへ「自分への期待もあると思う。今回はそれと戦いに来た。成長できたと思える1日になれば」と期した。己に打ち勝ち、悲願の初優勝をつかみにかかる。