2日に行われた全日本大学駅伝は、駒大が大会最多優勝回数を更新する2年ぶり17度目の優勝で幕を閉じた。前回12位でシード落…
2日に行われた全日本大学駅伝は、駒大が大会最多優勝回数を更新する2年ぶり17度目の優勝で幕を閉じた。前回12位でシード落ちも過去最高タイの2位と躍進した中大、出雲駅伝7位から巻き返した3位青学大、そして4位の国学院大など、各大学とも収穫と課題のあるレースとなった。中盤まで5度も先頭が入れ替わった激戦のレースを振り返る。
5区区間新記録を樹立した伊藤蒼唯(4年=出雲工)がゲームチェンジャーとなり、後半型レースで逆転優勝した駒大は、全8選手が区間5位以内と抜群の安定感で王座奪還を成し遂げた。故障から2年ぶりに全日本に戻ってきた7区佐藤圭汰(4年=洛南)も復帰戦ながら区間3位と好走。22年に樹立した大会記録までは6秒及ばなかったが、箱根駅伝の前哨戦となる伊勢路で結果を残した。
1993、95、2005年に続き、20年ぶりの過去最高成績に並んだ2位中大は、ラストスパートが印象的だった。
1区9位の本間颯(3年=埼玉栄)、2区2位でトップでつないだ吉居駿恭(4年=仙台育英)、3区4位の藤田大智(3年=西脇工)、そして4区区間賞の柴田大地(3年=洛南)。4選手がいずれも終盤でギアを上げ、先頭争いに絡むなどいい流れをつくった。 トラックの好選手がそろう中、出雲駅伝で10位と歯車がかみ合わなかったが、大学屈指の「スピード集団」がロードでも力を発揮したレースとなった。
原晋監督(58)が「朝日にかける大作戦」を発令した青学大は、作戦名の由来となった主将の黒田朝日(4年=玉野光南)が7区区間新の快走で中継時の5位から巻き返した。
1区のルーキー椙山一颯(1年=九州学院)が先頭から8秒差でつなぐなど下級生の積極的な走りを見せたのも大きいが、箱根3連覇に向けては4年生の底上げが鍵を握る。
前田康弘監督(47)が「惨敗」と総括した4位国学院大は、3区野中恒亨(3年=浜松工)が留学生ランナーに競り勝つ区間トップの走りで7位から2位を押し上げるエース級の快走をした。
4区高山豪起(4年=高川学園)、5区飯国新太(2年=国学院久我山)も順位をキープ。前日会見で指揮官が話していた「前半ないし、中盤ぐらいで先頭に立つようなレース」を展開したが、後続が巻き返せず、失速した。
5位早大は「山の名探偵」こと、8区工藤慎作(3年=八千代松陰)がOB渡辺康幸氏が持つ同区間の日本人最高記録を更新。6位帝京大は2区楠岡由浩(3年=慶誠)が駒大佐藤が持つ区間記録に並ぶ快走を見せた。7位創価大は全8選手が区間10位以内にまとめ、初出場から4年連続でシード権を獲得した。8位には順大が3年ぶりのシード圏内に滑り込んだ。
初出場の志学館大は22位に沈んだが、1区中村晃斗(3年=出水中央)が区間賞と見せ場をつくったのも今大会のハイライトだ。【泉光太郎】