◇国内女子メジャー第3戦◇日本女子オープン 3日目(4日)◇チェリーヒルズGC(兵庫)◇6616yd(パー72)◇雨(…
◇国内女子メジャー第3戦◇日本女子オープン 3日目(4日)◇チェリーヒルズGC(兵庫)◇6616yd(パー72)◇雨(観衆4491人)
今季ドライビングディスタンス229.8yd(83位)の堀琴音にとって、長いパー4は分が悪い。まして前夜からの雨でフェアウェイが緩み、ランが期待できない。423ydの4番、442ydの5番、389ydの13番では初日2ボギーと2つスコアを落としている。
そんな鬼門の3ホールで前日はボギーなし。そして、この日は4番でバーディを奪った。194ydも残る2打目を7番ウッドでピンそば2.5mにつけた。5番、13番はグリーンを外しながら、1.5mのパーパットを沈めた。「長いホールでパーを取れてるいのが大きいです」。2日連続ボギーなしで、この日は4バーディ「68」。通算15アンダーで単独首位の座を守ってみせた。
「日本女子オープン」には因縁がある。プロ3年目、20歳で迎えた2016年大会。最終日の終盤で首位に立ちながら17番でボギー。18番は入れたらプレーオフのバーディパットを外し、当時アマチュアの畑岡奈紗に競り負け、国内メジャーでのツアー初優勝を逃して1打差2位に終わった。
「そうですね。みなさん、そのことを言ってくれるんですが、あの時は私が下手でした。それから山あり谷ありを経て、今があるんで」。2018年に賞金ランク114位でシードを喪失。そんなどん底の中で森守洋コーチに師事し、球筋をドローからフェードに変えた。パターも長尺にした。21年「ニッポンハムレディス」で初優勝を飾るなど復活を遂げた。
今週は絶大な信頼を寄せる大溝雅教キャディにバッグをゆだねる。男女で通算33勝をサポートしてきた59歳のベテランを「状況判断、ラインの読み、雰囲気作り。すごくうまくて尊敬している」と言い、連発されるおやじギャグに「今日も何度か笑ってしまった」と悔しそうだ。
奇しくも今回も優勝争いにアマチュアの廣吉優梨菜がいる。9年前と似た状況でも、自分自身は9年前とは違う。「あまりいろいろ考えず、地に足をつけてやります」。29歳の堀が力まず抱負を口にした。(兵庫県三木市/加藤裕一)