◇米国選抜VS欧州選抜◇ライダーカップ 2日目(27日)◇ベスページブラック (ニューヨーク州)◇7352yd(パー7…

米国選抜のブライソン・デシャンボーも感情を爆発

◇米国選抜VS欧州選抜◇ライダーカップ 2日目(27日)◇ベスページブラック (ニューヨーク州)◇7352yd(パー70)

今年のライダーカップは欧州が米国を圧倒中で、28日の最終日(個人マッチ)を前にしたポイント差は「7」まで開いている。

米国チームを応援するファンはさぞかしガッカリして会場は静まり返っているのでは?という心配は無用だ。マッチで敗れはしたものの、ブライソン・デシャンボージャスティン・トーマスといったアメリカ人選手が随所に好プレーを見せ、会場内のあちらこちらから大歓声が上がっていた。

野次も会場の華?

チーム戦というフォーマットゆえに、ファンの応援も熱が入る。それにともない、相手チームの選手に対する野次も増える。小学生レベルの内容の野次もあれば、選手がアドレスに入った後に「お静かに~!」と大声で叫んでみるような少々“高度な”野次まで種類はさまざま。しかし、最低限のマナーを守ってさえいれば、今大会での野次は“会場の華”というべきもので、選手もあまり目くじらを立てずに無視してプレーしている。

ジャスティン・トーマスも観客にこのポーズ

だが、やはり“度”を超えてしまう観客はいるもの。野次があまりにひどくなったり、選手がプレーに入ってもずっと大勢で大声を上げ続ける状態が続いたら、米国チームの選手が、静かにするように!とジェスチャーで促して場を静める。

今大会では、米国チームがホームなので、欧州チームの選手に対する野次がひどくなると、米国人選手が率先して野次を止める。欧州チームの選手やキャディが止めても、逆に野次を煽ってしまうことになりかねない。そのため、米国人選手が止めるということが大切になるのだ。

「静かにして」

今日のマッチでは、ロリー・マキロイ(北アイルランド)&シェーン・ローリー(アイルランド)組と戦っていたジャスティン・トーマスキャメロン・ヤング組で、マキロイに対する野次が一時的に多くなり、プレーの間際になっても大声を止めないギャラリーが増えたホールがあった。その際、トーマスが観客席に向かって「静かにして!」というジェスチャーでその場を抑えた。これはホームの選手の責務ともいえる。

盛り上がる大ギャラリー

反対に米国人選手がギャラリーを煽って会場を盛り上げることもある。デシャンボーは1番でティショットを打った後、観客席に向かって両手を何度も上げて声援を誘い、そのたびに地割れのような大歓声が湧き上がった。だが、この行為は今週出場している欧州選手はしないのだ。

欧州チームの応援団

会場には欧州チームを熱狂的に応援するギャラリーも大勢いる。だが、ビジターである欧州チームは、あくまでも米国にやってきた“お客さん”の立場だから、「他人の家で派手な振る舞いは慎む」という態度で臨んでいるようだ。

もちろん、欧州でプレーする際には欧州チームの選手が場を盛り上げるように観客を煽る一方で米国人選手はある程度大人しくするのがマナーだ。

禁止事項が記された観戦エチケット

度を越した野次を続ける観客は、会場内にいるセキュリティーに退場を命じられることもあるし、誹謗中傷や差別を助長するような野次は一発アウトで、逮捕される可能性すらある。

スイングのトップで大声を上げるような、プレーに直接影響を与える行為も一発アウト。10万人を超えるようなギャラリーがいても、この一線はなかなか超えない。米国のギャラリーは、そんな「ゴルフの心得」もちゃんと知っているようだ。(JJ田邉カメラマン)