(7日、プロ野球 阪神2―0広島) 優勝を決めるマウンド。2―0で迎えた九回、阪神の抑えとして登板した岩崎優投手は、登…

 (7日、プロ野球 阪神2―0広島)

 優勝を決めるマウンド。2―0で迎えた九回、阪神の抑えとして登板した岩崎優投手は、登場曲をリンドバーグの「every little thing every precious thing」に変更してマウンドに上がった。

 この名曲は、藤川球児監督が現役時代に登場曲として使っていた。阪神ファンが勝利を確信する曲でもあった。

 つい最近、考えたわけではなかった。「何年前か忘れました。ちょっと話すと長くなります。いろんな思いがあるんで」。監督とは話さず、自分で決めたという。

 任された九回を3人で切ると、歓喜にわく選手たちに、もみくちゃにされた。

 岩崎は、2年前に胴上げ投手としてリーグ優勝を決めた試合でも、登場曲を変えた。

 入団同期で、その年に亡くなった横田慎太郎さんが使っていた、ゆずの「栄光の架橋」だ。

 「いろんな思いもある。もちろん2年前もそう。比べるものではないです」

 人生最初の大役は亡き親友のために。この日巡り合わせた2度目の大役は、同じ抑え投手として活躍した師匠である新監督のために。

 「本当に勝てて良かったです。(負けたら)大変なことになるんで」と笑顔。岩崎の人柄が表れたサプライズだった。