2025年8月30日、水戸ホーリーホック対レノファ山口FCの試合がケーズデンキスタジアム水戸でおこなわれた。試合は2-…
2025年8月30日、水戸ホーリーホック対レノファ山口FCの試合がケーズデンキスタジアム水戸でおこなわれた。試合は2-2の引き分けに終わった。水戸のフォーメーションは「4-4-2」の中盤がボックス型になる。山口のフォーメーションは「3-4-2‐1」の3バックで1トップを敷く。
なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=UpbCnphe3LA&t=3s
では、記事後半では、レノファ山口FCの同点ゴールのシーンから見ていこう。
■水戸の「しばしば見かける」失点シーン
【51分の有田稜の同点ゴール】
山口FWの有田稜をフリーにしている時点で問題である。
左サイドからのクロスに、ヘディングで決めた有田。水戸DF大森渚生が有田のマーカーになっているので、ここはマンマークにして有田に密着して守備をするべきだ。有田に左手で触れながら、彼が飛ぶタイミングを見て、入ってきたボールに対して先にボールに触れる。
大森のプレーから推測すると、ボールを見て人を失ったように映る。ゾーンで守っていても、最後は人につかないと、このような結果になってしまう。水戸の失点では、ボールに目をやりすぎて、人を失って得点を許してしまうケースをしばしば見かける。ここは改善してほしい箇所である。
■期待に「応えてほしい」パワープレー要員
【53分の渡邊新太の逆転ゴール】
GK松原修平のロングフィードのセカンドボールを拾った加藤千尋が渡邊にパスして、シュートを決める。難しいシュートだが、迷いなく足を振って決め切っている。
メンタル面もフィジカル面もスキル面も飛び抜けているのが、現在の渡邊である。そして、前に運ばれたボールに全速力で追いかけた加藤のプレーも効いている。
体勢を崩しながらも粘り強く渡邊にパスを出す。加藤からパスを出される前に、相手DFとの距離を考えてポジショニングし直す。さらに、柔らかくトラップしたボールをバランスよく振り切ってゴールする。高い技術力が発揮されたシュートだった。
【89分の有田稜の同点ゴール】
右サイドからのロングボールに対し、相手と競り合うフォファナ・マリック。
マリックは、79分に知念哲矢に代わってピッチに入ってきた。185センチのマリックが交代出場した理由は、ロングボールを跳ね返す高さを求められてのことである。しかし、この大事な場面で、バックステップからのヘディングは難しいとしても(相手もバックステップしながらのヘディングだった)、相手に先に飛ばれてしまい、ボールに触れることもできない。
これでは、なんのためにピッチに送り込まれたのかわからない。そして、相手にヘディングされたボールが有田のところに転がって、同点シュートが生まれてしまう。体をもっと相手に押しつけるとか、細かいせめぎ合いもしていない。はっきり言って、パワープレー要員と言ってもいい交代だったのだから、そうした期待には少しでも応えてほしいものである。
次の水戸の戦いは、9月13日のベガルタ仙台との戦いである。アウェーの地、ユアスタでの一戦は当然、死闘が予想される。チームを立て直すために、守備では人をマークして、体を張って守り抜くプレーを期待したい。いよいよ残り試合は10となった。ここを、どう乗り切るのか。仙台戦に注目したい。