夏場に入り、ペースを一気に上げたソト。そのパフォーマンスは「MVP級」だ(C)Getty Images シーズン序盤に不…

夏場に入り、ペースを一気に上げたソト。そのパフォーマンスは「MVP級」だ(C)Getty Images

 シーズン序盤に不安定なパフォーマンスから「不良債権」と揶揄された怪物が、目覚ましい活躍を見せ始めている。メッツの主砲フアン・ソトだ。

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 昨年12月にメッツと北米スポーツ史上最高額となる15年総額7億6500万ドル(約1147億円=当時のレート)の“超”巨額契約を結んだソト。しかし、オフのストーブリーグにおける主役は、開幕約2か月で打率.231、9本塁打、OPS.770、長打率.413と成績が低迷。辛口なニューヨーク・メディアをはじめとする一部メディアから“お荷物”の烙印を押された。

 ただ、大谷翔平(ドジャース)を超える契約評価を得た男は、転んだまま終わりはない。相も変わらず続く批判の声を意に介さずにプレーを続けたソトは、徐々に復調。現地時間9月3日時点で、138試合に出場し、打率こそ.259ながら、37本塁打、91打点、27盗塁、107得点、OPS.920(出塁率.399、長打率.521)とスラッガーとして十分すぎる数字を叩き出している。

 直近7試合でも打率.417、出塁率.576、長打率1.125、4盗塁とハイペースを維持しているソト。仮にこの勢いでシーズン終了まで駆け抜けられれば、「シーズン40本塁打&30盗塁」の偉業も到達する。これはメッツでは球団史上初の快挙だ。

 驚くべきは、盗塁の精度の高さ。シーズンキャリアハイとなる27盗塁に反して、失敗数はわずかに「2」。その質の高い走塁技術にはメッツのデビッド・スターンズGMも、日刊紙『New York Post』のインタビューで「(盗塁は)期待していなかったものだった。今年は全体の認識が評価を曇らせているのかもしれないが、非常に良い年、素晴らしい年だったと言える」と目を丸くする。

 走攻守で違いを生み出しつつあるソト。一部メディアでは、大谷の受賞が確実視されるMVPに関しても期待は高まっており、本人も地元局『SNY』のインタビューで「シーズンが終わったときに、どうなっているかを見てみよう。決めつけるのはまだ早いよ」と対抗馬としての“可能性”を口にしている。

 無論、これまで辛辣な評価を下してきた海外メディアの評価も急上昇している。スペインに拠点を置く『Marca』のアメリカ版は、「これまでオオタニの二刀流による圧倒的な活躍に陰を潜めていたソトだが、その驚異的な巻き返しは、近年で最も予測不可能なレースにおいて、挑戦者としての地位を確立させている」と強調。続けて「なぜ野球界で最も恐れられる打者の一人なのかをファンに思い出させるソトの爆発的な活躍は、『オオタニの戴冠式』と思われたMVPの行方を再評価させ始めている」と記した。

 果たして、最終的にどこまでソトは数字を伸ばすのか。残り約1か月となったレギュラーシーズンでの活躍は興味深いものとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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