宮部藍梨がオポジットで登場 8月23日、 バレーボール女子世界選手権(世界バレー)の日本対カメルーン戦で、途中起…
8月23日、 バレーボール女子世界選手権(世界バレー)の日本対カメルーン戦で、途中起用された宮部藍梨が注目を集めた。

宮部が登場したのは第2セット。2枚替えによりコートに入ったが、ここで彼女はセッター対角としてプレーした。
この投入に「ミドルの宮部がオポジット?」とネットでも驚きの声が上がる。
続く第3セットでは、宮部は「本来の」ミドルブロッカーとして起用されたが、ここで一つ我々は失念していた事実に気づかされた。
宮部は元々サイドのプレーヤーなのだ。代表チームではミドルブロッカーとして定着しているものの、彼女にとってミドルこそ挑戦のポジションだった。
宮部は高校時代(金蘭会高)より代表に名を連ね、当時もサイドプレーヤーとして活躍。
しかしその後大学進学、海外留学を挟み一時期代表から離れ、2022年の再選出にあたりミドルブロッカーに挑戦している。
むしろ当時は「サイドの宮部がミドルをやるのか」とそちらの方で話題になっていた。
奇しくも同日、宮部が所属するヴィクトリーナ姫路が2025-26シーズンのラインナップを発表していた。
そこでは宮部がオポジットとして記載され、ファンの間で「今季の宮部はオポジット?」とざわめきが起きていた。
この経緯を知る熱心な視聴者は昨晩の代表での「オポジット宮部」に思わずニヤリとしたことだろう。
姫路加入時も「宮部はサイドか、ミドルか」と議論を呼んでいたが、時の流れとともにその記憶は薄れつつある。
ミドルもオポジットも、それぞれ役割や特徴はあるが、プレーに明確な制約はない。
今回の代表でのオポジット起用は同ポジションの和田由紀子(NECレッドロケッツ川崎)のコンディションも理由なのだろうが、今後もオプションとして「オポジット宮部」は十分にあり得るのではないか。
宮部がパリ五輪に選出されたのもサイドとミドルができるユーティリティー性がプラスに働いたことは想像できる。宮部は攻撃だけでなく、ディフェンスにも長けている。
「知性と野性」
コートのセンターからライト側を主戦場に、宮部のインテリジェンスに溢れたプレーが期待される。固定観念にとらわれない彼女の活躍が、日本バレーの新しい地平を開くかもしれない。
撮影・文/堀江丈
*写真はVNL千葉大会のものです