開幕からハイペースで打ち続けてきた佐藤(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext やはり主砲のバッ…

開幕からハイペースで打ち続けてきた佐藤(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext

 やはり主砲のバットから快音が響けば、虎は強い。

 8月24日に敵地・神宮球場で行われたヤクルト戦に「4番・三塁」で先発した阪神の佐藤輝明は、先頭で打席に立った4回に今季32号となるソロアーチをマーク。チームの8-1での完勝に貢献した。

【動画】これぞ主砲!佐藤輝明の圧巻のホームランシーン

 パンッと破裂音のような打撃音が神宮にこだました。1-0で迎えた4回、佐藤は相手先発右腕の奥川恭伸が初球に投じた129キロのスライダーを強振。甘く入ったボールを完璧に捉えた打球に、本人も、阪神ファンも本塁打を確信。大きな弧を描いた打球はあっという間に右翼席へ着弾した。

 数字上は良くないパフォーマンスが続いていた。この試合までなんと17打席連続無安打で、前日の試合は5打数無安打4三振と散々な打撃内容に終始。本人もどこか苛立った様子も見せていた。

 しかし、一振りで状態は改善させるのはスラッガーの性。8回にも適時打を放った佐藤は、打点王争いでも2位の森下翔太に7差をつけてリーグトップに君臨。ふたたびタイトルレースでも存在感を示している。

 もっとも、「不振」と叫ばれた8月も全体的な成績が劇的に低下したわけではなかった。確かに打率こそ.222と精彩を欠いた感は否めないが、それでも打率.305、OPS.987を叩き出した先月と同様に6本塁打を放っている。さらにOPSも.823と極端に悪いわけではない。

 それだけに興味深かったのは、レジェンドの“指摘”だった。試合中継を行った「フジテレビONE」のゲスト解説を務めた清原和博氏は「シーズンの中ではいいときも悪いときもある」とキッパリ。そして、「今はシンプルに考えて、打ったらいい。変に考えると相手の術中にはまる」と助言したのだ。

 シンプルに考えて、打ったらいい――。NPB通算525本塁打を放ち、激動の現役キャリアを送ったスラッガーの言葉は、何かと世間の喧騒が絶えない「虎の4番」の耳にもすんなりと響くはずである。

 現時点で40発ペースで本塁打を打っている佐藤。阪神では、1986年のランディ・バース以来となる本塁打王獲得も期待される和製大砲が、ここからどこまでペースを上げるかに注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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