沖縄尚学が23日、夏の甲子園で初優勝を果たした。沖縄勢としては、2010年の興南以来、15年ぶりの快挙。地元・沖縄では…

 沖縄尚学が23日、夏の甲子園で初優勝を果たした。沖縄勢としては、2010年の興南以来、15年ぶりの快挙。地元・沖縄では街中から声援や歓声があがった。

 那覇市の台所・第一牧志公設市場。海ブドウを扱う「みき屋」代表の大城伸也さん(42)は「みんなで応援したい」と前日の22日に50インチの大型テレビを購入。店の看板がある高い位置に取りつけた。

 店の前にひとだかりができたこの日。妻の有季さん(39)は子ども3人と最前列で応援。優勝の瞬間は飛び上がって喜んだ。「仕事が手につかない。試合が気になりすぎて、商品の値段が分からないほど。震えがとまりません」

 市場で店を出す「上原精肉店」代表、上原正敏さん(64)は今大会、沖縄尚学の全試合を店員と見守ってきた。「一球一球ちむどんどん(どきどき)。最高、おめでとう、お疲れさまと言いたい」と話した。

 「山城こんぶ屋」の店主で、公設市場組合長を務める粟国智光さん(50)は、戦後の米国統治下で沖縄代表校の甲子園初出場が1958年と遅かったことを踏まえ、「沖縄の高校野球は苦難の歴史をたどってきた。戦後80年という節目の優勝は歴史的瞬間」と感慨にふけった。

 この日は沖縄尚学高校でも、在校生や保護者ら約600人が集まり声援を送った。

 高校2年の息子が通う中本智里さん(49)は「息子を見守る気持ちで手に汗握りながら応援した」と話す。「沖縄のこれからを担う子どもたちが全国の舞台で輝いた。明るい歴史を作ってくれた」と喜んだ。(棚橋咲月、金子和史)