◇国内男子◇ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント 初日(21日)◇北海道ブルックスCC(北海道…
◇国内男子◇ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント 初日(21日)◇北海道ブルックスCC(北海道)◇7286yd(パー72)◇晴れ(観衆733人)
8アンダーで終えた初日を振り返る時、石川遼は少し考えてから自己採点を下した。「ひゃく…120点ぐらいの感じですかね」。真顔で悩みながら、口にしたのは最高点。「64」は4月「前澤杯 MAEZAWA CUP」第2ラウンドと3週前「リシャール・ミル チャリティトーナメント」第3ラウンドに続く3度目の今季自己ベストタイだが、過去2回と違ってボギーなしだった。
最大のピンチは前半12番。3番ユーティリティの1打目が捕まった。ボールは左レッドペナルティーエリア内に入り、沼地の約1m前で止まった。何とか打てるものの、十分なフォローを取れないライから約80ydをウェッジでピン奥3mへ。ボギーどころか、バーディで切り抜けた。
12番以外は安定感だけが際立った。ウッド系のティショット、ピンを狙うショットでフィニッシュが崩れることがほとんどない。パー5で奪った3バーディのうち、11、17番は2オン2パット。実測179ydの後半5番(パー3)は7番アイアンでベタピンにつけて「普通、取れないような取り方で取れた」という会心のバーディだった。
開幕から国内ツアーで8試合続けてトップ10がない。キャリアワーストの“スランプ”だが、前日も「そんなに調子が悪い感じではない」と語るなど深刻さはない。むしろ目立つのはポジティブ思考。2020年から試行錯誤してきたスイング改造が昨季、一応のめどがつき、今季から持ち球のドローに対してフェードのショットが増え、より実践的な段階に入った。現在の課題は「9番以降のショートアイアンの精度」。打点のズレ、ミスヒットを減らし、距離感のミスを5yd以内に抑えたい。
石川はスイングそのものの課題を「マクロな部分」、その先のショットの精度や風などに対するジャッジなどを「ミクロな部分」と表現。「細かい話ができるのはいいことだと思う。ミクロな部分を詰めていけてるわけですから」。開幕8戦連続トップ10なしのトンネルを抜けそうな予感が漂う。過去最長だった6戦連続トップ10なしを止めた試合は、09年「ミズノオープン」で優勝、17年「カシオワールドオープン」で1打差2位。いずれも勝ち負けの展開になっている。(北海道苫小牧市/加藤裕一)