大谷の起用法はドジャースの負担となっているのか(C)Getty Images 世界一軍団が“スランプ”に陥っている。現地…

大谷の起用法はドジャースの負担となっているのか(C)Getty Images

 世界一軍団が“スランプ”に陥っている。現地時間8月13日、ドジャースは敵地でのエンゼルス戦に5-6と敗戦。今季のエンゼルス戦は6試合全敗しただけでなく、直近10戦で6敗目となり、ナショナル・リーグ西地区の優勝争いでも2位に後退した。

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 怒涛の快進撃で首位に立ったパドレスとはまだ1ゲーム差。チームのメンターであるムーキー・ベッツが「気にしすぎるのは良くない」と言うように悲観しすぎる状況ではない。ただ、取り巻く空気は重いのも事実だ。

 とりわけ問題視されているのは、ブルペン陣の負担過多。タナー・スコット、カービー・イェーツ、マイケル・コペック、ブロック・スチュワート、エバン・フィリップス、ブルスター・グラテロルなど軸として想定してきたタレントが相次いで故障。離脱を余儀なくされたために、編成が満足に回らない状態となっている。

 そうした中で先発投手の起用法にも余波は広まっている。中継ぎ陣の負担を減らそうと考慮した場合には、先発投手がイニングを消化するのは定石。だが、今季のドジャースは、大谷翔平やブレイク・スネル、タイラー・グラスノーなども故障の不安を抱えており、負荷を強められない現状があるのだ。

 とりわけ懸念が示されるのは、「投手・大谷」の起用法だ。

 右肘側副靭帯損傷の大けがから復帰した今季の大谷は、ここまで23.1イニングを消化。スモールサンプルながら、防御率3.47、奪三振率12.34とエース級の数字は残している。そうした中でポストシーズンでの負担増加を見越しているデーブ・ロバーツ監督は、「今季は5回が最長になると思う」と明言。レギュラーシーズン中は5回以上を投げさせない方針をはっきりと宣言している。

 本来ならば、もっと投げてもらいたいというのは本音だろう。実際、ロバーツ監督の心情を慮る識者は少なくない。MLBの公式ネット局『MLB Network』の番組「MLB Now」に出演した元メッツのGMでもあるスティーブ・フィリップス氏は、「彼は2度も大きな故障歴があって、メジャーでも一番守られてきた投手だ」と指摘。その上で、編成に携わる側の人間からの視点を論じた。

「今のオオタニを中心にチームを編成するのは本当に難しいことなんだと思う。なぜなら彼だけの問題じゃないからだ。ブルペンをどう使うかも考えなければいけない。彼のために誰かが多く投げる必要がある。全てのマネージメントを変えざるを得ないから、本当に悩みは尽きないと思う」

 果たして、この苦境をドジャースはいかに脱するのか。ふたたびの世界一に向け、スター集団の真価が問われそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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