◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 初日(14日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)◇…

1Wに不安を抱きながらも「70」で回り切った勝みなみ

◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 初日(14日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)◇6497yd(パー72)

「AIG女子オープン」(全英女子)の後に一時帰国した勝みなみは、渡米する際に思わぬミスを犯していた。ことし6月の「KPMG全米女子プロ」でスイッチした現在のエースドライバーを自宅に忘れ、その直前まで使用していた古い相棒とともにフライト。ポートランドでキャディバッグを開いて、思わず天を仰いだ。

すぐに住友ゴム工業(ダンロップ)のツアー担当者に新しい1Wをつくってもらい、コースで調整。「同じ(モデルの)ヘッドで作ってもらったんですけど、やっぱり感覚がちょっと違って…」と小さな違和感が気になるのも繊細なプロゴルファーならでは。「練習のときから曲がっていたので怖かった」と内心、恐る恐る初日のティイングエリアに立った。

肩の力を抜いてプレーできている

その恐怖心は、よみがえった自信でねじ伏せた。全英女子をメジャー自己最高位の2位で終え、秋のアジアシリーズや来季の出場権確保を確実にして「気持ちがめちゃくちゃ楽」。各選手がスコアを伸ばし合うコースで1Wショットを右のバンカーに入れた4番でボギーが先行。続く5番(パー5)は1Wで今度は左に曲げて池に入れ、痛恨の連続ボギーにして「ちょっとへこんだ」後にしぶとさを発揮した。

続く6番から4mを続けて沈めて2連続バーディ。9番では6mを流し込んでアンダーパーの世界に入った。「めちゃくちゃ良かった」と自賛したのが後半16番(パー3)の第1打。グリーン左で風に揺れるフラッグに対し、手前のバンカーを警戒しながらピンの右5mをとらえた。パットでチャンスを逃したものの、次の17番ではフェアウェイから8Iでピン左2mにピタリ。「ダフってはいたんですけど、(ボールを)押せたので飛距離がしっかり出てバーディを獲れた」とうなずいた。

急造ドライバーを徐々に馴染ませていきたい

5バーディ、3ボギーの「70」で2アンダー。米女子ツアー3年目での初勝利がはっきりと目標にある。「あとはもう上を目指してという感じなので、もうこの位置じゃ全然納得いかない」と視線はいよいよ高くなった。(オレゴン州ポートランド/桂川洋一)