大谷翔平の二刀流を率直に褒めたたえた米司会に反発の声が相次いだ(C)Getty Images「本当は負けている試合なのに…

大谷翔平の二刀流を率直に褒めたたえた米司会に反発の声が相次いだ(C)Getty Images

「本当は負けている試合なのに、実質ドジャースは勝ったような感じだ。ショウヘイ・オオタニが、それだけ圧倒的だった。今日のドジャースは負けたけど勝ったんだ」

 現地時間8月6日、ドジャースがカージナルスに3-5と競り負けた直後に、MLB公式ネット局『MLB Network』の番組内で、司会を務めるグレッグ・アムシンガー氏は、そう語った。

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 大谷翔平のパフォーマンスを考えれば、そう言いたくなるのも理解はできる。「1番・投手兼DH」で先発マウンドに立った天才は、投手としては4回(54球)を投げ、被安打2、1失点、与四死球0、8奪三振と好投。打っても3回の第2打席に一時逆転となる39号2ランでメジャー通算1000安打を達成。攻守で存在感を発揮した。

 たしかにアムシンガー氏のコメントは支離滅裂ではある。しかし、それだけ大谷のパフォーマンスが図抜けていたのだということを十分に表現するものではあった。

 しかし、一部の視聴者からは一方的過ぎた伝え方に反発の声が集中。「勝者を軽んじているのではないか」とアムシンガー氏は批判に晒されている。

 カージナルスの専門サイト『Red Bird Rants』は「カージナルスの粘り強い戦いぶりは称賛に値するが、MLBネットワークは異なる見解を示した」と大谷を褒めちぎった番組内容をクローズアップ。「ドジャースは負けたけど勝った」というアムシンガー氏のコメントを「全くもって愚かではないか」と切り捨てている。

 さらに「今日のようなパフォーマンスのオオタニを褒めるのはある種、当然ではある。だが、MLBの公式メディアは品格を保つべきではないか」と訴える同メディアは、こう嘆きを続けている。

「オオタニは野球の顔であり、十分な尊敬に値する存在だ。しかし、MLBひいてはカージナルスでさえも、自チームではなくオオタニを宣伝することでファンを球場に呼び込もうとする罠に陥っている。野球界ではオオタニへの過剰な賛辞が耐え難いレベルに達する瞬間が確かに存在する」

 日頃から大谷を「私たちは彼の偉大さに感謝すべきだ」と称賛しているアムシンガー氏。しかし、今回の発言はさすがに行き過ぎたのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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