阪神タイガースの中継などでおなじみの朝日放送テレビ・高野純一アナウンサーと、朝日新聞スポーツ部のトラ番大坂尚子記者が定…

 阪神タイガースの中継などでおなじみの朝日放送テレビ・高野純一アナウンサーと、朝日新聞スポーツ部のトラ番大坂尚子記者が定期的に語る「虎バン主義。」。優勝へひた走るチームを支える先発投手について話しました。

 大坂 7月30日に優勝へのマジック39がつきました。

 高野 強いですね。まさに黄金時代です。

 大坂 投打にかみ合っていますが、特にチーム防御率は1.93(8月2日終了時点)。12球団唯一の1点台です。

 高野 村上頌樹投手、才木浩人投手、伊藤将司投手をはじめとして、先発投手がみんないいですもんね。その中であえて挙げるなら才木投手でしょうか。

 大坂 後半戦初戦となった7月26日のDeNA戦は、被安打4、9奪三振で完封し、8勝目を手にしました。8月2日に9勝目を挙げ、防御率は1.52です。

 高野 あの登板は大きいと思います。これまでも勝ち星はついていたとはいえ、夏場に入って少し状態は落ちていた印象でした。本人いわく、球宴前の登板から感覚は良かったようですが、藤川球児監督もあの日は「体全体の力をボールに伝えられていた」と言っていました。首脳陣から助言もあったようです。

 大坂 前に梅野隆太郎選手が才木投手は「かわすより押し切る」タイプと言っていました。坂本誠志郎選手とのバッテリーでも、持ち味が十分出ていました。

 高野 才木投手も「打者の狙いを外そうという意識がある時もあったけど、ゾーンに投げることを実行して、大切さを再確認した」と言っていました。

 大坂 本格的に暑くなり、ビジターも増える夏場に調子が戻ってきたのは、優勝へ加速したいチームにとっても大きいですね。

 高野 村上投手も7月は打たれる試合があったり、マジック点灯した30日も6回無失点とはいえピンチもあったりしました。どの投手も浮き沈みはあるし、疲れも出る頃。才木投手のようにうまく乗り越えて、上がってくると思います。

 大坂 2年前にリーグ優勝した際も、チーム防御率は2.66でセ・リーグ唯一の2点台と安定していました。今はそれ以上です。

 高野 あの時は投打ともに固定して戦っていました。今年は藤川監督流のマネジメントで、先発も中継ぎも出場選手登録と抹消をうまくやりくりしながら、みんなが好投できる環境を作っていると感じます。

 大坂 頭数がいないとできないことです。それだけ先発、中継ぎともに充実している証拠ですね。

 高野 監督も現役時代に守護神として、いい状態で結果を残したとき、悪い中でやりくりしてきたときがあるのでしょう。疲労、心労がたまらないようにコンディションを考慮してやっているのだと思います。

 大坂 シーズンが終わる頃、才木投手にはどんな数字を期待したいですか。

 高野 もう2桁勝利は見えてきていますし、防御率もいい。いずれにせよ、村上投手とともに、「ダブルエースだよね」とみんなが納得する数字を残してほしいです。