レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)に遂に、“笑いの王冠”が授与された。 シャキール・オニール(元ロサンゼルス・…
レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)に遂に、“笑いの王冠”が授与された。
シャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)が主催するNBAの珍プレー大賞「シャクティン・ア・フール」で、レブロンが2024-2025シーズン栄えある(?)MVPに選出された。これまでチャンピオンリングから個人賞まで、数あるタイトルをほしいままにしてきたキングが、40歳にしてようやくコート上のユーモアでも評価されることとなった。
「シャクティン・ア・フール」とは、2011年にTNTの番組『Inside the NBA』内でスタートしたコメディコーナー。視聴者の投稿クリップとファン投票により“今週の珍プレー”が選出され、シーズン終了後には最多出演や投票数を基準にMVPを決定している。もちろん、賞金や盾の贈呈はないが、失敗を笑いに昇華するいかにもアメリカらしい文化であり、スター選手もロールプレーヤーも平等にイジられる、ある意味もっとも“民主的”なアワードと言える。
しかし、キングにもようやく受賞の機会が巡ってきた。百戦錬磨の王は、振りかぶったフリースローでエアボール、らしくないゴール下のイージーショットミス、アウトオブバウンズからのスローインをバックボードに当てるなど、豪快なミスの数々がネット民の餌食となってしまった。
ホストのシャックは、レブロンのMVP発表直後、以下のコメントを残し、その後のスタジオではレブロンの珍プレー集がリピートされた。
「ベン・シモンズより上だと? ブロン、俺の仕業じゃないぞ(笑)」
SNSも、レブロンの受賞にともない大盛り上がりとなった。「レイカーズに来てから毎年、これを獲るべきだった」、「GOATの議論に新たな栄誉が加わった」など、多くのユーモアが飛び交い、偉大さに敬意を払いながらも、レブロンのキャリアに新たな彩りを与えたと前向きに捉えている。
この珍プレー賞は設立後、シャクティンの常連である珍プレー王ことジャベール・マギー(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)の連覇で幕を開けた。余談だが、シャックとマギーの両者はシャクティンを理由にSNSで応酬を繰り広げ、最終的にはシャックが3度のNBAチャンピオンの揚げ足を取りすぎた余り、マギーの母親まで登場して騒動が鎮火する事態にまで発展している。
歴代最多受賞者は、3度の受賞歴を誇るラッセル・ウェストブルック(デンバーナゲッツ)だ。初タイトルとなる2016-2017シーズン、フロントコートへボールを運ぶ際にドリブルをせずに5歩も前に進んだシーンは、シャクティンの名シーンのひとつとして今なお語り継がれている。
また、今年の珍プレー大賞には、クリス・ポール(サンアントニオ・スパーズ)とビクター・ウェンバンヤマ(サンアントニオ・スパーズ)による、NBAオールスターウィークエンドのスキルチャレンジで起きた珍事が選出された。両者は成功が加点されないというルールの抜け穴を突き、ボールを雑に放り投げ、スピードを重要。ドノバン・ミッチェル(クリーブランド・キャバリアーズ)がブーイングを煽るシーンも切り抜かれたが、シーズンで最も笑いを誘った瞬間だったことに異論はない。
しかし、“シャクティン”な瞬間が散見されても、レブロンのシーズン成績は依然としてエリートクラスにある。今年のプレーオフでも平均25.4得点、5.6アシスト、9.0リバウンドをマークし、最後の3試合は40分以上コートでプレーしている。
4度のNBAシーズンMVPとファイナルMVP、3つの五輪金メダル、そしてシャクティン。またひとつ履歴書を更新したキングは、支配力とリーダーシップ、そして自虐ユーモアでもリーグを魅了し続けている。
文=Meiji
【動画】レブロンの貴重な珍プレー集!?