4月14日、プロレスリング・ノア『STAR NAVIGATION 2025』東京・後楽園ホール大会が開催された。メインイベントは、KENTA &拳王vs OZAWA&遠藤哲哉のノーDQマッチ。5・3両国国技館でGHCヘビー級王座を…
4月14日、プロレスリング・ノア『STAR NAVIGATION 2025』東京・後楽園ホール大会が開催された。メインイベントは、KENTA &拳王vs OZAWA&遠藤哲哉のノーDQマッチ。5・3両国国技館でGHCヘビー級王座を賭けて対戦するOZAWAとKENTAによるルールなし・なんでもありの前哨戦は、大荒れの展開となった。
3・22後楽園大会でGHCヘビー級王座への挑戦を表明したKENTAに対して、OZAWAが「その前にノーDQマッチでお前を終わらせてやる」「万が一、生き残ることができたら5・3両国でやってやろう」と答えたことで実現した、今回のノーDQマッチ。
もともとKENTAにとってノーDQマッチは、新日本の2022年1・5東京ドームでの棚橋弘至戦で、巨大ラダーから落下した際に大ケガを負い長期欠場に追い込まれた試合形式。そんな“悪夢”を払拭すべく、KENTAはその棚橋戦で着用したコスチュームで登場した。
反則裁定も場外カウントもない試合は、開始直後からKENTAとOZAWA、拳王と遠藤がそれぞれ場外乱闘を展開。後楽園ホール全体が戦場と化す。
序盤、頭脳プレーが光ったのは遠藤。かつて「DDTは学芸会」と言われた恨みがある拳王に対して、南側客席最後列の柵の上で、拳王の師匠・新崎人生ばりの拝み渡りを披露したかと思えば、持ち込んだ手錠と紐で、拳王を場外フェンスに拘束することに成功。
ここからKENTAがローンバトルを強いられて、竹刀、イス、スチール缶攻撃で蹂躙されるが、KENTA側のセコンドについた佐々木憂流迦が拳王を救出すると、流れは一気にKENTA&拳王に傾く。拳王はラダーを首に巻いて自ら回転してOZAWAと遠藤を蹴散らすと、ラダーを遠藤の脚に挟んでの足4の字固めを決めるなど、ノーDQならではのプロレス頭をフル回転させる。
そしてKENTAもイスを巧みに使ってOZAWAを追い込み、go 2 sleepの体制に入るが、ヨシ・タツが背後からローブローでこれを防いでしまう。
これで蘇生したOZAWAが、脳天へのトラッシュ缶攻撃、イスの上でのビッグベンエッジ(リストクラッチ式ブルーサンダー)で畳み掛け、仕上げに遠藤と一緒に4メートルの巨大ラダーとテーブルを設置。
ラダーてっぺんから攻撃を仕掛けようとするOZAWAに対し、KENTAも反対側からラダーに登り未遂に終わらせる。そしてラダー上で頭突き連打を入れてOZAWAを弱らせると、拳王から手渡されたイスで脳天を一撃。あわれOZAWAは、ラダーの上から自らが設置したテーブルの上に転落。ここでKENTAがトドメのgo 2 sleepを決めて、ついに3カウント奪取。
KENTAは、ノーDQマッチでの悪夢を払拭すると同時にTEAM2000X加入後無敗を誇っていたOZAWAについに敗北を味わわせ、最高の形で5・3両国のGHCヘビー級タイトル戦へ駒を進めることとなった。
一方、OZAWAはバックステージで痛みに悶絶しながら「両国、タイトル賭けてやってやるよ!」と、あらためてKENTAのGHC王座挑戦を受諾。その横でヨシ・タツが「5月3日、両国国技館。俺たちの神が降臨する!」と不気味な宣言をすると、OZAWAは「ゴッド、ゴッド、ゴッド……ミリオンゴッド打ちたい……」と、パチンカスなうわごとをつぶやきながら控室へと消えていった。
王者となってから初黒星を喫したOZAWAは、両国でのタイトル戦でどんな闘いを見せるのか。そしてヨシ・タツの言う「神が降臨する」という予告は何を意味するのか。NOAH創立25周年の大一番、何かが起こりそうだ。
文/堀江ガンツ
写真/プロレスリング・ノア