【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】■知っておきたい! 血統表でよく見る名馬【ドバウィ】 わずか1世代、56頭の産駒を残して早世した名馬ドバイミレニアムの忘れ形見。ジャックルマロワ賞、愛2000ギニー、愛ナショナル…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

■知っておきたい! 血統表でよく見る名馬

【ドバウィ】

 わずか1世代、56頭の産駒を残して早世した名馬ドバイミレニアムの忘れ形見。ジャックルマロワ賞、愛2000ギニー、愛ナショナルSと3つのG1を勝ったマイラーで、引退後はゴドルフィンの屋台骨を支える大種牡馬となりました。サドラーズウェルズ、ヌレイエフ、デインヒルといった主流血統を持たないので、それらの血があふれかえっているイギリスでは貴重な存在です。2010年にイタリア、2015年にフランス、2022年に英愛のチャンピオンサイアーとなっています。

 カルティエ賞年度代表馬のガイヤースをはじめ、ポストポンド、トゥーダーンホット、マクフィ、レベルスロマンス、モダンゲームズ、ユビアーなど多くの活躍馬を出しています。距離の融通性のある芝血統で、配合によってマイルから2400mまでこなし、時計の速い軽い芝にも対応力があります。日本ではモルジアナやティップトップのようにダート向きの仔もいます。

 ナイトオブサンダー、ザラック、トゥーダーンホットなどの後継種牡馬が成功しており、日本ではマクフィ、モンテロッソ、ベンバトルが供用されています。

血統に関する疑問にズバリ回答!

「サンデーサイレンスを経由しないヘイロー系は存続している?」

 存続しています。世界的にはそれほど希少でもなく、まだまだ続いていきそうです。

 日本ではデヴィルズバッグの経た系統、タイキシャトルとロージズインメイのラインが健在です。タイキシャトルの息子メイショウボーラーとダイシンプラン、前者の息子ニシケンモノノフは現役種牡馬です。ロージズインメイの息子ドリームバレンチノも現役です。

 サザンヘイローを経たモアザンレディは、アメリカやオーストラリアで多くのG1馬を出しました。その息子でオーストラリアのクイーンズプレートを勝ったギミザグリーンライト(Gimmethegreenlight)は、南アフリカへ渡って二度チャンピオンサイアーとなりました。オーストラリアで供用されたモアザンレディの息子、セブリング(Sebring)とベターザンレディ(Better Than Ready)も悪くない成績を残しています。

 この他、アメリカ、アルゼンチン、ウルグアイにも少数ではありますが系統が存続しています。