◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 2日目(19日)◇熊本空港CC(熊本)◇6565yd(パー72)◇晴れ(観衆4141人)大言壮語を吐くタイプでなく、石橋を叩いて渡る超頑固者が自信満々に語り始めた。2020年「日本女子プロ選…

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 2日目(19日)◇熊本空港CC(熊本)◇6565yd(パー72)◇晴れ(観衆4141人)
大言壮語を吐くタイプでなく、石橋を叩いて渡る超頑固者が自信満々に語り始めた。2020年「日本女子プロ選手権」を含む通算2勝の永峰咲希が言う。「まだシーズン2勝以上したことがないけど、今年の目標は3勝なんです。ショットだけなら“5勝ぐらいできそうだな”と思っています」
首位タイスタートから前半アウトで3バーディを奪取し、一時は通算8アンダーで後続に2打差をつけたが、後半インでバーディなしの「38」と失速した。「71」止まりで通算6アンダー2位に後退して迎える最終日。それでも、落ち込んだ顔は見せなかった。
プロ12年目の今季は「ショットが今までで一番の状態で開幕を迎えられた」という。開幕から4戦連続で予選通過したもののトップ10はなし。5戦目の前週「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」は予選落ちだった。それでも、手応えを感じている。
フェードヒッターで合格した2014年のプロテスト後からドローヒッターを目指し続け、昨夏にフェードに戻した。数年前から技術指導を受ける目澤秀憲コーチと試行錯誤を重ね、理想のスイングが馴染んできた。この日の4番(パー5)は両脇の林の上に出ないほど、低いフェードでフェアウェイをキープして初バーディ。左ドッグレッグの5番のティショットは一転、ライン出しのドロー。グリーン手前両サイドの林が弾道を制限する8番(パー3/173yd)は高弾道、ストレートに近いフェードで3mにつけ、バーディを奪った。
状況によって球を打ち分ける。「こういうふうにしたいというショットが、この2日間はできているかなと思う」と満足そうに振り返った。
最終18番(パー5)で下り4mのバーディパットを決めていれば、同学年同期合格の堀琴音と首位で並んで「最終日最終組対決」が実現できた。「そうなんですよ。途中で『おー、コッちゃんが来てる』と思ったのに」と残念がったが、優勝を争うことに変わりはない。「このコースはナイスショットが必ず好結果に結びつくとは言えない。14本の全クラブを使って“汚いゴルフ”でもいいから、頑張ります」。4月28日には30歳になる。来週開催予定だった「フジサンケイレディス」が中止になったため、今大会が20代ラストゲーム。培った技術を総動員させ、集大成を見せるつもりだ。(熊本県菊陽町/加藤裕一)