春のダート中距離路線における重要な一戦、アンタレスステークス(GIII)。阪神ダート1800mを舞台に行われる別定戦の重賞で、実績のある古馬や勢いに乗る上がり馬が集う。今年もGIやGIIで好走してきた実力馬に加え、オープン特別を勝ち上が…
春のダート中距離路線における重要な一戦、アンタレスステークス(GIII)。阪神ダート1800mを舞台に行われる別定戦の重賞で、実績のある古馬や勢いに乗る上がり馬が集う。今年もGIやGIIで好走してきた実力馬に加え、オープン特別を勝ち上がってきた馬などが顔を揃え、興味深いメンバー構成となった。過去10年のデータを分析し、レース傾向を探っていく。
1.前走GI・GII組と地方交流組が優勢
過去10年の前走クラス別成績を見ると、格の高いレースを使われてきた馬が優勢だ。前走GI組は[1-1-0-4]で複勝率33.3%、前走GII組は[2-0-2-7]で複勝率36.4%と高い好走率をマークしている。また、地方交流重賞組も[5-4-2-24]で複勝率31.4%と好成績を残しており、これらの組が中心となる。一方で、前走GIII組は[1-2-3-47]で複勝率11.3%、前走OP組は[1-3-2-38]で複勝率13.6%とやや苦戦しており、重賞の中でもGIやGII、あるいは地方交流重賞で戦ってきた経験が重要視される傾向にある。
2.前走2、3着馬が好成績、巻き返しに注目
前走の着順に注目すると、前走で惜敗した馬の巻き返しが目立つ。前走2着だった馬は[1-4-3-10]で複勝率44.4%、前走3着だった馬は[1-1-3-8]で複勝率38.5%と、いずれも高い数値を記録している。特に前走3着馬は単勝回収率93%、複勝回収率133%と妙味もある。前走1着馬も[5-4-1-19]で複勝率34.5%と悪くないが、複勝回収率は62%にとどまる。前走で勝ちきれなかった馬が、ここで力を発揮するケースが多いようだ。
3.5歳馬が中心も4、6歳馬も互角
馬齢別の成績を見ると、5歳馬が[4-2-2-23]で4勝を挙げ、複勝率25.8%と中心的な存在となっている。単勝回収率112%、複勝回収率62%。僅差で4歳馬が[1-4-2-24]で複勝率22.6%、6歳馬が[3-3-5-39]で複勝率22.0%と続いており、この3世代がレースの中心と言えるだろう。7歳以上になると[2-1-1-43]で複勝率8.5%と成績が大きく落ち込むため、基本的には4〜6歳馬を中心に考えたい。
ミッキーファイトは前走のフェブラリーS(GI)で強敵相手に3着と好走。4歳馬ながらGIで通用する能力を示した。データ面でも後押しが多く、前走GI組(複勝率33.3%)、前走3着(複勝率38.5%)、4歳馬(複勝率22.6%)、中7週のレース間隔(中4〜8週組は複勝率14.3%)といずれも好走傾向に合致する。GIでの実績とデータ的な裏付けから、ここは中心視すべき存在と判断した。