■2日前の1回戦で相手のエースと投手戦を演じるも延長10回に決勝点を許していた 連盟創立100周年を迎えた東京六大学野球の春季リーグは14日、立大が慶大2回戦に6-5で競り勝ち、1勝1敗のタイに持ち込んだ。エースの小畠一心投手(4年)は、延…
■2日前の1回戦で相手のエースと投手戦を演じるも延長10回に決勝点を許していた
連盟創立100周年を迎えた東京六大学野球の春季リーグは14日、立大が慶大2回戦に6-5で競り勝ち、1勝1敗のタイに持ち込んだ。エースの小畠一心投手(4年)は、延長10回途中まで150球2失点と力投しながら敗れた1回戦から、雨天順延による“中1日”を挟み、2戦連続の先発で5回71球1安打1失点。合わせて221球の熱投でチームに白星をもたらした。
気合十分だった。味方打線に1点先制してもらって迎えた初回は、2死から常松広太郎外野手(4年)に同点ソロを被弾。しかし2回から4回までは時おり「よしゃ!」と声を出しながら、140キロ前後のストレート、スライダー、フォーク、カーブなどを丁寧に投げ込み、相手の攻撃を3人ずつで片づけていく。
5回には1死から四球で走者を出したものの、最後の林純司内野手(2年)を一飛に仕留め、歓喜の雄叫びを上げた。味方打線が活発で5-1とリードを広げたこともあり、この回限りで降板。試合後まず口にしたのは、「まだまだです。もっとイニングを投げられればよかった。気持ちとしては最後まで投げるつもりでしたが、ボールが全然合っていなかった。今後しっかり詰めていきたいと思います」という反省の弁だった。
2日前(12日)の1回戦では、慶大のエース・外丸東眞投手(4年)と一歩も引かぬ投手戦を演じるも、1-1で迎えた延長10回、2死三塁から内野安打で決勝点を奪われて敗れた。それでも「1戦目の先発を任されながら勝ち切れなかったのは、僕の責任です」と言い訳も口にしていない。
翌日の2回戦が雨天順延となると、木村泰雄監督は迷わず「落とせない試合なので、小畠にお願いしました」と翌日の先発をエースに託したのだった。

■奈良・智弁学園高3年時は春に選抜8強、夏は準Vに背番号「10」で貢献
この日、7回のソロ本塁打を含め4打数3安打3打点で援護した主将の西川侑志内野手(4年)も「小畠が連投という形で試合をつくってくれたお陰で勝ち切れました」とエースを称えた。
となると、勝ち点のかかる15日の3回戦で、先発のマウンドに上がるのは誰になるのだろうか。木村監督は「これから小畠本人と話し合って決めたい」と含みを持たせた。小畠自身は「僕は基本的に投げたい、勝ちたいと思っています。判断をしてくださるのは戸村(健次コーチ)さんと監督さんなので、いつでも行ける準備をします」と3戦連続先発も辞さない姿勢を強調した。
小畠は奈良・智弁学園高3年の春、選抜大会8強入りに貢献し、同年の夏の甲子園大会では準優勝を果たした。当時は背番号「10」だったが、立大では昨年の春季リーグから各カードの1回戦先発を任されエースの座に君臨している。チームを牽引する立場にある自覚が、「投げたい、勝ちたい」という思いを加速させるのだろう。
100周年を迎えた東京六大学野球にあって、早大、法大、明大、慶大の4校がいずれも40回以上のリーグ優勝を誇るのに対し、立大は13回。最後の優勝は2017年春で、もう15シーズンも遠ざかっている。高校時代から大舞台を知るエースが、立大の低迷に終止符を打つことができるか。