卓球女子で2021年東京五輪3種目に出場して金、銀、銅メダルを獲得した伊藤美誠(24)=スターツ=が11日、スポーツ報知の取材に応じ、28年ロサンゼルス五輪における実施種目の変更を「面白みが増した」と歓迎した。国際オリンピック委員会(IO…
卓球女子で2021年東京五輪3種目に出場して金、銀、銅メダルを獲得した伊藤美誠(24)=スターツ=が11日、スポーツ報知の取材に応じ、28年ロサンゼルス五輪における実施種目の変更を「面白みが増した」と歓迎した。国際オリンピック委員会(IOC)は9日(日本時間10日)に同五輪実施種目を決定。卓球は男女の団体がなくなり、混合団体が採用。男女のダブルスの復活も決まり、卓球界初の4種目での五輪出場の可能性も出てきた。
伊藤は五輪卓球競技の大きな変革に、驚きと関心を示した。IOCの決定から一夜明け「種目が増えたり、チェンジするとは思ってなかった。正直びっくり」。率直な感想を口にしつつ、「すごく面白そう。『どんな種目なんだろう?』とか、卓球を気にしてくれる人も増えると思う。新しいことをするのは、すごくいいことじゃないかなって」と前向きに捉えた。
ロス五輪では男女団体が外れ、混合団体と男女のダブルス(複)が追加された。男女のシングルス、混合複と合わせて従来から1増の計6種目を実施。出場枠は男女各3人を維持するかなど不透明な点も多いが、1人の選手が最大4種目に出場となる可能性も考えられる。21年東京五輪では混合複金、女子団体銀、女子シングルス銅と3種目で表彰台に立った。13日間で13試合を戦った経験から「相当ハードだったので期間はどうなるのかとか、気になることは結構ある」とも指摘した。
自身はロス五輪を目指すかどうかは決めていない。「本当に先のことは全く考えてない」。今は5月の世界選手権個人戦(ドーハ)でのシングルスのメダル獲得という目標に集中する姿勢は変わらないが「でも、種目が増えたことで、面白みは増したなって正直に思う」との興味も明かした。
女子複は早田ひなとのペアで世界選手権のメダルを3度獲得している。“みまひな”再結成への期待に対しても「大きな大会に出たいという部分もちょっとある」と含みを持たせた。今回の種目変更は、伊藤が今後進む道を定める上で、転機の一つとなる可能性もありそうだ。(林 直史)
◆伊藤 美誠(いとう・みま)2000年10月21日、静岡・磐田市生まれ。24歳。2歳で卓球を始める。世界選手権は団体で銀4、女子ダブルスで銀2、銅1。五輪は16年リオから2大会連続出場。リオ大会は女子団体で史上最年少の15歳300日で銅メダル獲得。全日本選手権は女子単で3度V。世界ランク9位。自己最高は2位。150センチ。
◆卓球の五輪での実施種目 1988年ソウル大会で初採用。04年アテネ大会まで男女のシングルス、男女のダブルスの計4種目を実施。08年北京大会からダブルスに代わり、男女の団体が採用された。21年東京大会で新たに混合ダブルスが加わり、24年パリ大会も計5種目で争われた。