東日本大震災から14年を前にした8日、ラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブスは、レッドハリケーンズ大阪を岩…

 東日本大震災から14年を前にした8日、ラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブスは、レッドハリケーンズ大阪を岩手県釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムに迎え、34対25で勝った。特別に無料で開催された試合には、今季最高の4426人の観客が集い、地元での勝利に大漁旗を振って喜んだ。

 序盤は退場者を2人出すなどして押され気味だった釜石は前半25分、岩手県出身の阿部竜二のトライで追いつき、ミッチェル・ハントのゴールキックも決まって逆転した。後半は開始7分までに阿部が連続トライを決めて優位に展開し、前後半で計5トライをあげて、追いすがる大阪を執拗(しつよう)なタックルで抑えた。

 だめ押しのトライを決めた宮城県気仙沼市出身の村上陽平キャプテンは「みなさんの大声援が勝利につながったと言っても過言ではない。リーグ後半戦にはずみをつけたい」と話した。また東日本大震災や岩手県大船渡市で発生した山林火災の被災者に対して「私たちはラグビーをすることでしか元気づけることができない。それを体現しようとメンバーに話し、結果につながって良かった」と話した。

 大阪の松川功ヘッドコーチは「復興祈念で、釜石が激しく(攻撃して)きた。自分たちの(攻撃の)時間が作れなかった」と釜石をたたえた。

 スタジアムの外では、釜石の選手たちが山林火災の被災者への寄付を募った。来場者は次々と協力して募金箱はすぐにいっぱいになった。(東野真和)