◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 事前(5日)◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄)◇6610yd(パー72)昨季メルセデス…

発熱40度がウソのように、笑顔が戻った佐久間朱莉

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 事前(5日)◇琉球ゴルフ倶楽部(沖縄)◇6610yd(パー72)

昨季メルセデスランキングは0勝の選手で最上位の8位。“ツアー未勝利最強プロ”としてブレークの期待が大きい5年目の佐久間朱莉が、開幕戦に何とか間に合った。

前週10位に入った台湾女子ツアー「TLPGAプレーヤーズ選手権」2日目の2月28日に発熱、体温は40度まで上がった。帰国後の3日にも40度に。病院の検査の結果、原因は「食あたり」と判明して前日4日は38度。この日のプロアマ戦後「今朝は37度ぐらいになりました」と苦笑いで明かした。

ツアーで2位は昨季の3試合を含めて計4回。あと一歩を埋めるため、今オフは「30~40ydのアプローチ」を徹底的に磨いた。1月下旬から3週間の米アリゾナ合宿では、5yd間隔でコーンを置いて、データを確認しながら反復練習に励んだ。また、2月上旬に同州で開催されたPGAツアー「WMフェニックスオープン」を観戦。松山英樹をロープ外から見つめながら、達人レベルのアプローチに驚き、チーム松山の黒宮幹仁コーチに疑問をぶつけた。

「松山さんのアプローチは“手で投げてるんじゃないか”ってぐらいすごくて」。アドレス時の足元とボールとの距離の近さにも驚いた。遠くに立ちがちな自分の動画を黒宮氏に見せると、「おなかに力が入ってない」と指摘され、その後は腹筋も精力的に鍛えてきた。

アリゾナにはトレーナーも帯同して体力アップに取り組み、初めてピラティスも取り入れて股関節の可動域拡張に努めた。その結果、ヘッドスピードが自己最高の44.7m/sに伸びるなど、成果は数値となって現れつつある。

年始にその年の目標を紙に書き、部屋に貼ってきた。「今年も“初優勝”と書きました。もう毎年、同じ言葉ばっかり書いてます」。台湾遠征出発前には、師匠の尾崎将司宅を訪れ「ヨッシャ!」と激励された。「何の“ヨッシャ!”かわからないんですけど…。できれば、前半戦で1つ勝って、ジャンボさんに早く報告したいです」。体重が2kg落ちたことはショックだが、体温はほぼ平熱に戻った。オフに取り組んだ成果を出す準備は、ギリギリ間に合った。(那覇市/加藤裕一)