全国高校駅伝競走大会(日本陸上競技連盟など主催)が22日、京都市で開かれる。男女ともに宮城県代表として仙台育英、東北地区代表として東北がそれぞれ出場する。 全国高校駅伝は、男子が42・195キロを7人で、女子が21・0975キロを5人でた…
全国高校駅伝競走大会(日本陸上競技連盟など主催)が22日、京都市で開かれる。男女ともに宮城県代表として仙台育英、東北地区代表として東北がそれぞれ出場する。
全国高校駅伝は、男子が42・195キロを7人で、女子が21・0975キロを5人でたすきをつなぐ。今年からルール改定で出場校が拡大。都道府県代表の47枠に、5年に1度の記念大会で設けていた地区代表の11枠が男女ともに常設として加わり、計58校が争う形に変わった。
地区代表は地区大会で各県代表を除いた最上位の高校で、県代表の仙台育英は男子が11年連続35回目、女子が33年連続33回目の出場。東北地区代表の東北は男子が9年ぶり28回目、女子が21年ぶり2回目の出場となる。
今年から、男女とも外国人留学生が走れるのは最短の3キロ区間のみとなった。そのため、留学生が走れる区間は男子が2区か5区、女子は3区か4区となる。仙台育英駅伝女子の釜石慶太監督(37)は「アンカーが日本人選手のみとなるため、いかにアンカーに強い選手を置けるかが新たなポイントとなる」と話す。(岸めぐみ)
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2年連続準優勝の仙台育英の女子は、3年ぶりのV奪還を目指す。昨年は最終5区、トラックの最後の直線で神村学園(鹿児島)に抜かされ、わずか1秒差で2位に。「1秒の大切さ」を胸に刻み、練習を重ねてきた選手たちが都大路を駆け抜ける。
3度目の都大路となる細川あおい主将(3年)は、身長150センチと小柄ながらリズムの良い走りでチームを引っ張る。昨年は1区を走り、区間3位だった。予想より上の順位で、走り終わった直後はうれしさがあった。ただ、試合後は「自分があと2秒速く走れたら、1秒差で勝てていた」と悔しさがこみ上げた。
「1秒は0.1の積み重ねで1秒になる」。あと1秒のために、練習はもちろん、それ以外の時間も、走った後のケアの時間を長く取ったり、睡眠時間を少しでも確保したりして日々、細かい部分を丁寧に積み上げていくことを部員全員が意識してきたという。
昨年のゴール間際の映像を録画し、今も見ているという細川主将。「昨年、一昨年とあと一歩で悔しい思いをしたので、その2年分の思いを大会にぶつけて、しっかり勝ち切って、みんなで笑顔で終われるようにしたい」と意気込む。今年もエースがそろうと言われる最長区間(6キロ)の1区を走る予定だ。
同じく3度目の出場となる長岡みさき選手(3年)は、2年連続で区間2位だった。昨年は区間賞まであと1秒だった。「自分の詰めの甘さがチームに影響を与えてしまった」と長岡選手。
今年は2区を走る予定で、区間賞を狙う。けがや貧血が重なり、思うように練習できない時期もあったが、秋からは自分がチームを引っ張ろうと、練習から積極的に前に出て走り、調子を上げてきた。
心強い後輩もいる。「絶対に先輩たちに優勝をプレゼントしたい」。そう話すのは、今年初めてメンバー入りを果たした渡辺光桃(こと)選手(2年)だ。
昨年は、1年生ながら出場登録選手8人に選ばれたが、惜しくもメンバー外に。メンバー発表の次の日から「来年は絶対自分が走る」と決意したという。
メンバーに入り、しかも距離の長い主要区間を走るという高い目標を立てた渡辺選手は、普段の練習から「チームの誰にも負けない」という意識で取り組んできた。今年は2番目に距離が長いアンカーの5区を走る予定だ。「区間賞を狙い、チームに貢献する走りで優勝を絶対につかみ取りたい」と気合が入る。
2012年から監督を務める釜石監督は「優勝候補の重圧やプレッシャーをはねのけるには、心技一体の積み重ねしかない」と語る。
「2年間、あと一歩足りなかったが、今年は優勝したときのチームに匹敵するほどの戦力がついてきた。日本一をかなえてあげたい」(岸めぐみ)