清宮(左)の三塁部門での得票や、打率.100だった内藤への1票など今年もベストナインの投票結果が波紋を呼んでいる。(C)産経新聞社 またも“記者投票”が物議を醸した。 11月25日に発表されたプロ野球のベストナイン。セ・リーグでは、優勝した…

清宮(左)の三塁部門での得票や、打率.100だった内藤への1票など今年もベストナインの投票結果が波紋を呼んでいる。(C)産経新聞社

 またも“記者投票”が物議を醸した。

 11月25日に発表されたプロ野球のベストナイン。セ・リーグでは、優勝した巨人から菅野智之(投手)、岡本和真(一塁手)、吉川尚輝(二塁)の3人が選出されたほか、二冠王の村上宗隆(ヤクルト)も三塁部門で入った。かたやパ・リーグも、優勝したソフトバンクから、有原航平(投手)や山川穂高(一塁手)ら最多の6人が選ばれた。

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 両リーグともに妥当な顔ぶれではあった。しかし、表彰を受けた以外の選手への投票内容が波紋を呼んでいる。というのも、セ・リーグの外野手部門で、今季25試合出場で打率.190、0本塁打の井上絢登(DeNA)と、パ・リーグの一塁手部門で今季7試合出場、打率.100だった内藤鵬(オリックス)にそれぞれ一つの得票があったのだ。また、三塁手として33試合しか出場しなかった清宮幸太郎が三塁部門で1票を獲得している。

 得票内容が公開されるやいなやSNS上では疑問の声が噴出。「考え直した方がいい」「賞の価値を貶めるな」「権利を剥奪すべき」「ネタ的にやるなら価値はない」といった意見が目立った。

 こうした疑問符が付く投票は、もはや毎年の“風物詩”のようになりつつある。昨年もセ・リーグの捕手部門で打率.125、0本塁打、0打点の小林誠司(巨人)が票を獲得して波紋を呼んだ。

 ベストナインの投票権を持つのは、全国の新聞社、通信社、放送局のプロ野球記者で、取材歴5年以上のキャリアを持つ者と定められている。つまりは鵜の目鷹の目の“プロ”である。しかし、発表をする上で投票記者名や投票選手に関する情報は明かされない。いわゆる「匿名」となるため、おおざっぱな印象や自身の担当球団の選手に入れているケースが散見される。

 しかし、こうした「おふざけ」と思われても不思議ではない投票が横行する限り、何らかの変化をもたらす必要ではないだろうか。

 ちなみに“野球の本場”MLBでは、最優秀監督賞、サイ・ヤング賞、新人王、MVPに関して、全米野球記者協会に属する記者からランダムに選考された30人の記者に投票権が与えられている。しかも、結果発表後に記者名、媒体名、投票内容が公開されるため、該当する記者は「なぜ?」と求められる“責任”が生じるのである。

 無論、投票された選手には罪はない。むしろ彼らが投票をされた際に恥ずかしい思いをしないためにも、MLBのように記名投票にする、あるいは投票権利を持つ記者の厳選などルール変更は必至。投票の在り方を再考する余地はありそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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