上沢はポスティングを利用し、今季メジャーリーグに挑戦していた(C)Getty Images 今オフのFA市場では投手ではソフトバンクからFA宣言した右腕、石川柊太が人気を博している。 人的、金銭ともに補償が発生しないCランクとみられ、20年…

上沢はポスティングを利用し、今季メジャーリーグに挑戦していた(C)Getty Images

 今オフのFA市場では投手ではソフトバンクからFA宣言した右腕、石川柊太が人気を博している。

 人的、金銭ともに補償が発生しないCランクとみられ、20年に最多勝、最高勝率の2冠に輝いた実績も光る。先発、中継ぎもこなせるという使い勝手も魅力、右腕をめぐってはすでにオリックスが交渉を行い、ほかにもロッテ、ヤクルト、巨人が獲得調査を進めていると報じられている。

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 また海外FA権を行使した広島の九里亜蓮の去就も注目を集めている。

 九里においても今季はチームの開幕投手も務め、21年には最多勝も獲得、昨季も26試合に登板し、8勝8敗、3完封、開幕から1度も離脱することなく先発ローテーションを守り切ったことも評価された。

 広島のチームスタイルともいえるタフネス右腕で知られるだけに、国内移籍も視野に入るとなれば、複数球団の争奪戦必至と見られる。

 そして、ここに新たな選択肢として、去就が注目されているのは今季ポスティングを利用して、メジャー挑戦を行った上沢直之にもある。

 レイズと1月にマイナー契約を結び、招待選手でキャンプに参加。その後、レイズからマイナーへの合流を通達され、契約条項を行使してレッドソックスに移った。

 4月28日にメジャー初昇格を果たし、2試合に登板して勝敗付かず、防御率2.25。5月以降は3Aウースターで過ごし、マイナーでは20試合登板で5勝4敗、防御率7.63に終わった。

 右ひじを痛め、9月に日本帰国の際には来季以降、日米球界含め、どのような選択を行うか熟考する姿勢を見せていたが、19日発行の「スポーツニッポン」の自身の連載の中で、家族のことも考え、日本球界復帰に気持ちが傾いていると明かした。

 上沢は日本球界最後の2023シーズンは日本ハム先発陣の柱として、パ・リーグ最多の170イニングを投げ9勝をマーク、21年にはキャリアハイの12勝をマークするなど、しっかり試合を作れる右腕として知られる。
  
 長いイニングをしっかり作れ、年間通してローテーションを守れる先発投手はどの球団も求めている背景もあり、仮に市場に出てくれば争奪戦必至と見られる。

  かつての同僚の例もある。日本ハムからポスティングシステムを利用してメジャー挑戦した有原航平は22年オフに帰国。ソフトバンクと3年契約を結び、日本球界復帰初年度の23年は10勝、今季は14勝をマークし、日本ハムの伊藤大海と並び最多勝に輝くなど、リーグを代表する右腕として存在感を示している。

 帰国後は古巣の日本ハムナインとの交流も伝えられた右腕は果たして来季どこのユニホームを着ているのか。

 今オフ、注目の一人となることは間違いなさそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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