■警戒していたふたりに仕事をされ…「超攻撃的」が、圧巻の逆転劇を見せた。 J2リーグ第32節が9月21、22日に開催され、2位の清水エスパルスは22日に10位の藤枝MYFCと対戦した。 この試合に先駆けて、首位の横浜FCが引分…

■警戒していたふたりに仕事をされ…

「超攻撃的」が、圧巻の逆転劇を見せた。

 J2リーグ第32節が9月21、22日に開催され、2位の清水エスパルスは22日に10位の藤枝MYFCと対戦した。

 この試合に先駆けて、首位の横浜FCが引分けていた。清水は藤枝との「静岡ダービー」に勝利すれば、首位に返り咲くことができる。

 順延分の徳島ヴォルティス戦を18日に消化した清水は、中3日での3連戦目となる。そのため、前節からシステムとスタメンを入れ替え、MF西澤健太が5月6日以来18試合ぶりの先発となった。ケガで戦列を離れる時期もあった西澤は、右MFに入る。

 清水は序盤からハイプレスを仕掛けていく。藤枝のビルドアップを規制しようとするが、GKがプラス1となる相手にプレスを回避され、うまくハメることができない。28分には右サイドでテンポ良くボールを動かされ、MF梶川諒太のアシストからFW矢村健に決められてしまう。3-4-2-1の2シャドーから神出鬼没にポジションを取る梶川と、3試合連続弾の矢村は警戒すべき選手だったが、そのふたりに仕事をさせてしまったのだった。

 32分には藤枝の左CKから、CB中川創にヘディングシュートを決められる。これはGK権田修一の目前に藤枝の選手がいたとして、得点は認められない。清水はパフォーマンスこそ悪くないものの、相手ゴールへ迫れずに前半を0対1で終えた。

■秋葉采配がズバリ的中!!

 清水の秋葉監督は、後半開始とともに交代カードを切る。ダブルボランチの一角を担っていたMF宮本航汰が退き、MF矢島慎也がピッチに立つ。4-2-3-1なら2列目で、3-4-2-1なら2シャドーでの途中出場が多い矢島が、この日はボランチに入った。

 これが奏功する。52分、矢島がピッチ中央からMFルーカス・ブラガへ縦パスを通すと、攻撃のスイッチが入った。ルーカス・ブラガからFW北川航也へパスがつながり、北川のトリッキーなヒールパスから西澤が右足で決め切った。前半は効果的にボールに絡めなかった西澤が、ワンチャンスを生かして同点ゴールを決めてみせた。

 ここから、清水がたたみかける。58分、西澤が右CKを供給すると、マンツーマンのマークを剥がしたDF住吉ジェラニレショーンがフリーでヘディングシュートを突き刺した。

 さらに60分、敵陣でパスカットした北川が持ち出すと、MF乾貴士が北川を追い越す。ペナルティエリ内左でパスを受けた乾は、右足ワンタッチシュートでゴールネットを揺らしたのだった。

 わずか9分で3ゴールを叩き込んだ清水は、65分のルーカス・ブラガからカルリーニョス・ジュニオへの選手交代をきっかけに、システムを4-2-3-1から3-4-2-1へ変更する。後半アディションルタイムに2失点目を喫したものの、3対2で逃げ切って勝点3をつかんだ。

 試合後のフラッシュインタビューで秋葉監督は、1得点1アシストの活躍を見せた西澤に触れ、思わず涙をこぼした。久しぶりの出場となった西澤がきっちり結果を残したことが、指揮官の感情を大きく揺さぶったのだった。

 この日の勝利で勝点を71に伸ばした清水は、勝点70の横浜FCをかわして28節以来の首位に返り咲いた。次節はその横浜FCとの直接対決だ。この試合で勝点3をつかめば、J1自動昇格圏の2位以内確保がいよいよ現実味を帯びてくる。

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