米国・ソルトレイクシティで4日(日本時間5日)、クライミングW杯のボルダー第2戦男子決勝が行われ、安楽宙斗が優勝、楢崎明智が準優勝し、第1戦に引き続き日本男子がワンツーフィニッシュを飾った。 4月の第1戦(中国・柯橋)では、楢崎明智の兄・…


 米国・ソルトレイクシティで4日(日本時間5日)、クライミングW杯のボルダー第2戦男子決勝が行われ、安楽宙斗が優勝、楢崎明智が準優勝し、第1戦に引き続き日本男子がワンツーフィニッシュを飾った。

 4月の第1戦(中国・柯橋)では、楢崎明智の兄・智亜が1位、安楽が2位でパリ五輪内定の2人が上位を独占。昨年5月のソルトレイクシティ大会でも同じ2人がワンツーフィニッシュしており、今大会での活躍が期待された。3日(同4日)の予選は全完登でグループB首位に立った天笠颯太を筆頭に6人の日本勢が準決勝に進出。4日の準決勝は楢崎明智が3位、安楽が5位、天笠が6位で決勝に駒を進めた。楢崎智亜は9位で敗退し、連勝はならなかった。

 日本男子がファイナリスト6人の半数を占めた決勝。第1課題はダイナミックなコーディネーションムーブから緩傾斜を進む内容で、1番手の天笠が7トライ、2番手の安楽が2トライで完登する。その後も完登が続くかと思われたが、楢崎やヤン・ルカ・ポッシュ(オーストラリア)が完登のチャンスを逸すると、最後に登る準決勝1位のヤコブ・シューベルト(オーストラリア)も慎重にムーブを重ねた末にトップホールドから手が離れてしまう。だが最終トライで残り1秒での劇的な完登を決め、ガッツポーズを繰り返した。

 第2課題は6人全員が2アテンプト以内にゾーンを獲得するも、直後の左手が抜けて保持できず。完登は記録されなかった。中盤以降にスラブに切り替わる壁の第3課題は、スラブに入ってからボリュームを飛び越えるダイナミックなトラバースを天笠がピタリと決めて観客を沸かせるも、その後の足の踏み位置が定まらない。2番手の安楽は6トライ目にゾーンを取ると、安定した動きでトップホールドに達した。楢崎は観客側に反転する他選手とは異なるムーブを織り交ぜるなどして一撃で攻略。決勝初完登をマークした。シューベルトは登り切れないまま競技を終え、マットに突っ伏して悔しさをあらわにした。唯一2完登の安楽が首位をキープ。1完登3ゾーンの楢崎がアテンプト数の差で2位に浮上した。

 最終課題、完登で優勝の安楽はキャンパシングなどパワフルなムーブが続く中で修正を繰り返し、3トライ目に最後のホールドへ。昨年の最終第6戦以来となる自身2度目のボルダーW杯優勝を決め、喜びを噛みしめるようにしてトップホールドにとどまった。その後は完登が出ず、楢崎が2位、シューベルトが3位でフィニッシュした。多くの選手が苦戦した第1課題を2トライで決め切り、最終課題もただ1人完登した安楽の登りが際立つ結果となった。3年ぶりにW杯に参戦している天笠は久々の決勝で表彰台こそ逃したものの4位入賞で復活を印象付けた。

<決勝リザルト>

1位:安楽 宙斗(JPN)/3T4z 11 11
2位:楢崎 明智(JPN)/1T4z 1 13
3位:ヤコブ・シューベルト(AUT)/1T4z 7 9
4位:天笠 颯太(JPN)/1T4z 7 12
5位:ヤン・ルカ・ポッシュ(AUT)/1T3z 3 12
6位:ヤニック・フローエ(GER)/1T2z 3 4
――――――
9位:楢崎 智亜(JPN)※準決勝進出
15位:藤脇 祐二(JPN)※準決勝進出
18位:緒方 良行(JPN)※準決勝進出
23位:山田 航大(JPN)
23位:坂本 大河(JPN)
29位:吉田 智音(JPN)

※左から順位、氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

CREDITS

編集部 /

写真

Slobodan Miskovic - @xsloba / IFSC

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